http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100128-00000048-san-soci
この制度で異例なのは、弁護士が検察官役を務める点だ。検察審査会の議決書を基に起訴状を作成し、検察庁から受け取った証拠を精査して公判も担当する。
起訴議決があると、検察審査会が議決書を地裁に送付。地裁はこれを受け、検察官役の弁護士を指定する。実際には、弁護士会が推薦したリストの中から選定するとみられる。
指定後は地検が捜査した証拠や供述調書を把握し、公判に臨む。補充捜査が必要なときは検察官に委嘱し、検察事務官や警察官を指揮する。
ある付審判事件で、検察官役を務めた弁護士は、対象者を調べる必要があるとき、手続きに具体的な規定がないのは問題とし、「呼び出しは弁護士がするのか検察庁がするのか。すべてが手探りだった」と話す。明石歩道橋事件については「関係者の証言や証拠も膨大な数だと思う。指定弁護士が参考人聴取を必要とする場合、大変な労力になる」と述べた。
今後、指定弁護士が検察官役を務めることになりますが、これだけの難事件の立証ですから、補充捜査を含め、なかなか難しいものがあって、態勢をきちんととっておかないと、いろいろな意味で大変なことになってしまいかねないでしょうね。
検察官経験が10年以上ある中堅の弁護士と、検察官経験はなくても刑事事件に意欲や熱意がある若手の弁護士の複数立会として、理論面、立証方針の策定、裁判所や検察庁との折衝等は中堅弁護士が担当し、法廷での訴訟活動等は若手弁護士が担当する、といった役割分担も必要でしょう。神戸地裁と兵庫県弁護士会の間で、検察官役の選定には慎重の上にも慎重を期したほうが良いと思います。
特に、本件では、起訴されるのが警察の元副署長で(「その男、副署長」ですね)、補充捜査を警察に指揮しても、協力はおよそ期待できず、逆に、陰に陽に補充捜査を妨害するなど、組織をあげて抵抗してくる可能性があります。それだけに、神戸地検に協力すべきところは協力するよう強く働きかける、動きが鈍い場合は被害者側にも協力を求め世論を高めて行くなど、そういった方面でも適切に動ける能力、センスの持ち主が検察官役を務めることが望ましいという気がします。