運命の人

運命の人(一)

運命の人(一)

運命の人(二)

運命の人(二)

買ったままで、なかなか読めずにいたので、連休を利用し、読み進めたところ、おもしろくなり、2巻まで一気に読みました。この勢いで、残り2巻も近日中に読んでしまおうと考えています。
フィクションではありますが、有名な外務省機密漏洩事件をモデルにしていることは明らかで、読んでいると、常にその事件が想起されてきます。その辺がこの作品のおもしろさでもあるでしょう。
2巻まででは、らつ腕記者が、外務省高官の女性秘書から情報を得たことが「情を通じた」上でのことであるとして、国家公務員法違反容疑でともに逮捕、勾留され、起訴されて公判が進んで行く、というところまで話が進みますが、権力がストーリーを作ってなりふり構わず国策捜査を仕掛けてきた際の執念深さや恐ろしさ、そういった中で、個人の生活や運命が木の葉のように翻弄されるはかなさ、といったことが感じられ、山崎豊子作品らしい展開で読者を飽きさせないものになっているなと感じました。