敷島隊の五人 海軍大尉関行男の生涯(上)(下) (文春文庫)

大西第一航空艦隊司令長官の副官であった門司親徳氏の著書

英霊の島を訪ねて―巡拝日記

英霊の島を訪ねて―巡拝日記

を読んでいると、上記の本の著者の森氏が慰霊巡拝に同行した時のことも出てきます。「敷島隊の五人」は、出た当時から気になる本でありつつも読めていなくて、Kindleで検索すると幸いにもラインナップに入っていたので、早速Kindleで買い、読み進めているところです。
著者は、各種の戦記を実によく読みこんでいて、かつ、独りよがりにならずに客観的な叙述を心がけていることが読んでいてよくわかりますし、艦上爆撃機の搭乗員でありながら戦闘機の分隊長を命じられ、経験不足から出撃できない中で神風特別攻撃隊の隊長に任ぜられた関大尉の苦悩や決意といったことなどが克明に描写されていて、読んでおく価値のある力作であると、読みつつ感じています。
感傷や主観に引きずられず、できるだけ事実に即して歴史や未来を語る上でも、こういった本を読んでおくことは必要であると改めて感じています。