茨城の県立高 とんだ修学旅行 窃盗、53生徒から指紋

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081225-00000067-san-soci

関係者によると、11月18日午後9時ごろ、新門司港をめざし瀬戸内海を航行中のフェリー展望室で、20代男性客が落とした財布から現金約4万円が盗まれる事件が発生。坂出海上保安署は、男性客の「近くのいすに男子生徒数人が座っていた」との目撃証言に基づき、男子生徒全員の指紋提供を学校側に求めた。ほかの乗客には指紋提供を求めなかった。
捜査の影響で、フェリーは海上で約2時間停止。翌朝、港に到着後、53人の指紋採取が約3時間行われ、同日予定していた阿蘇山観光はキャンセルとなった。引率した大畠丈夫教頭は「証言した男性客が酔って周囲に言いふらし、多くの乗客がうちの生徒が犯人と思ってしまった。指紋提供を断れば生徒の不名誉になると思った」と話す。

海上保安庁がやった窃盗の捜査ということで、稚拙、お粗末という言葉が頭の中に浮かんでくることを禁じ得ませんね(実際に稚拙、お粗末であったかどうかはわかりませんが)。
航行中のフェリー内では、人が自由に移動しているものであり、その中で、上記のような被害者の「証言」程度で、高校生を捜査対象として絞ってしまう、というのが適当であったかどうかは疑問です。財布が落とされた時間帯をできる限り特定し、その時間帯で落とした場所に接近できた乗客を、一斉の事情聴取により特定して、その全員を捜査対象にすべきであったと思います(実際にそれが可能かどうかという問題はありますが)。
また、任意捜査である以上、個々の指紋提供者(高校生)から、個別に任意の承諾を得る必要がありますが、学校を介することで、事実上の強制になってしまった可能性があり、指紋採取の方法として適法性に疑問もあるでしょう。
中途半端な捜査で、犯人も捕まらず、とんだ修学旅行にしてしまった上、関係者の気持ちを傷つけて終わってしまったという印象を強く受けます。