弁護士の就職と転職―弁護士ヘッドハンターが語る25の経験則

弁護士の就職と転職―弁護士ヘッドハンターが語る25の経験則

弁護士の就職と転職―弁護士ヘッドハンターが語る25の経験則

著者の西田さんとは、一緒にランチしながらお話したことがあります。と言っても、私がヘッドハンティングされようとした、といった景気の良い話ではなく、人伝に紹介があって、お話を聞く機会があった、というだけです。大手法律事務所の勤務経験だけでなく、経済産業省日本銀行の勤務経験もある方で、弁護士業界の内幕にも詳しく、こういった本を書くには適任者と言っても過言ではないでしょう。
今夕、書店で見つけて購入し、早速、第4章「経験を積んできた弁護士の悩み」を読んでみましたが、一般的によくある、だからこそ切実な悩みが書かれていて参考にはなったものの、私自身の悩み(?)とは(悩みと言うより関心でしょうか)、かなり異なっていました。私の場合、ちょっと特殊な分野を取り扱っている弁護士なので、それはやむをえないでしょう。
法曹人口、特に、弁護士の数がどんどん増えれば、司法試験合格者が少なかった時代のように、「何とかなるだろう」と気楽に臨み、実際、数の少なさに物を言わせて何とかなってしまう、といった、牧歌的な時代は完全に終わりを告げたと言ってよいと思います。各自が、自らの能力、興味に応じて、望ましいキャリアプラン、といったことをきちんと考えて行かないと、早晩、行き詰まってしまう、ということになりかねません。
その意味で、この世界に身を投じようとしている人、既に身を投じてしまった人に、幅広く読まれる価値のある1冊ではないか、という印象を受けつつ、読んでいるところです。