4人死亡飲酒事故で懲役18年 名古屋高裁 危険運転致死傷を適用

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007122590104255.html

高裁判決では、現場の一つ手前での赤信号無視の評価が問題になったようで、

「次の交差点では、それ以上に信号表示に注意するのが普通。赤信号を意に介さず交差点に入った以外に考えられない」と指摘して、同罪の成立を認めた。

とのことです。一つ手前の交差点では、クラクションを鳴らしつつ通過したとされていて、赤信号を認識しつつ無視した後の、次の交差点では「無視」ではなく「見落とし」というのは、やや不自然、不合理な弁解、という印象は受けます。
では、あり得ないか、というと、人間の行動ですから、あり得なくはない、そうではないと排斥しきれない、と考えたのが地裁判決であり、あり得ない、排斥できる、と考えたのが高裁判決、ということになるでしょう。微妙な事実認定の問題であり、証拠を見ていない立場から、その当否を俄かには決しがたいものがあります。
この高裁判決が、福岡の幼児3名死亡事故の判決へ与える影響、ということを論じる向きもあるようですが、問題になっているのが危険運転致死傷罪ではあっても、事案の内容が異なっていて、影響がある、ない、などと安易には言えないと思います。