記者の目:県議選買収事件の12人全員無罪 内田久光

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070306k0000m070135000c.html

ボツネタ経由で知りました。

チェックすべき鹿児島地検にも、暴走を止められなかった事情があった。捜査指揮を担当した検事は任官3年目。司法修習は、期間が1年半に短縮されて最初となる第53期だ。実務修習を鹿児島で受けたが経験が浅く、弁護人は「現場を見ずに警察官の調書を引き写したような調書が多い」とあきれる。

私が初めて選挙違反の捜査を経験したのは、平成3年のことで、今から16年前の統一地方選挙に関するものでした。その時、私は任官後、3年目の検事で、上記の鹿児島地検の検事と同様の状態だったということになります。
そういった経験に照らすと、鹿児島の事件は、任官3年目の検事にはあまりにも荷が重いものであったと言えると思います。この事件を配点した次席検事や、それを是認した検事正の責任は極めて重いでしょう。
主任検事は、事件についてすべての責任を負うものであり、言い訳は許されませんが、このような極めて難しい事件を、この程度の経験の浅い検事に担当させた検察庁の組織としての責任にも、極めて深刻なものがあると私は思います。
修習を2年やっていれば、このような過誤が避けられた、とは思えませんね。もっと本質的な部分に目を向けるべきでしょう。