閲覧可能は秘密に当たらず 「情報流出」起訴見送り

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東京地検は30日までに、「社員が誰でも閲覧できる情報は営業秘密に該当しない」として起訴を見送る方針を決めた。

男性は東京都江東区の中古液晶パネル買い取り会社に勤務していた昨年から今年にかけ、顧客住所録と買い取り価格見積書を社内の構内情報通信網(LAN)から自分のパソコンにダウンロード。今年4月に別会社(中央区)に転職した後、同資料を使って営業していたとされる。

不正競争防止法第2条第6項では、「営業秘密」について、

この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。

と定義されています。
一般に、営業秘密の要件として、
1 秘密管理性
2 有用性
3 非公知性
が必要であるとされていますが、本件では、報道を見る限り、秘密管理性に、特に問題があったものと推測されます。
なお、

不正競争防止法による知財防衛戦略

の150ページ以下で、営業秘密について、非常にわかりやすく解説されています。
この本は、先日購入し、少しずつ読んでいますが、非常に役立つ実戦的な良書で、この分野に関心がある方にはお薦めできます。