これでは駄目なアエラ

私は、時々、朝日新聞発行の週刊誌「アエラ」を買って読んでいるが、2月14日号で、「堤支えるヤメ検弁護士」という記事があり、少し興味があったので、買って読んでみた。内容は、特にどうということもないものだったが、その後、翌週の2月21日号をたまたま読んでいると、最後のほうに、小さく、「訂正します」と出ていて、上記の記事について
1 記事に出る、元大蔵省局長の弁護士は、堤氏の顧問弁護士としたが、そうではなかった
2 その弁護士が所属する事務所を「西武弁護団の扇の要」としたが、堤氏個人の弁護団ではなく西武鉄道弁護団だった
3 その事務所にいる元福岡地検検事正の弁護士が、著名な元検事長を堤氏側に紹介したとされる、との記述は削除する
4 元福岡地検検事正の弁護士も、記事に出てくる「若手の特捜OB弁護士」も、堤氏個人の弁護団とは関係なかった
とされていた。
要するに、上記の記事は、重要部分が、事実誤認、単なる憶測に基づくものだったということになる。書かれたほうも迷惑だったと思うし、各方面から抗議等があって、このような訂正に至ったということも十分考えられる(単なる憶測ではなく)。こんな記事を読まされた読者(私を含め)も、とんだ迷惑である。ちっぽけな「訂正」を読む機会がなかった人は、当初の記事をいまだに本当だと思っている可能性が高い。
こういう、でたらめな記事を書いていては、記事の中にあるような「検察在籍時には巨悪を追及する側だったのに、弁護士に転じると一転して問題企業側に重宝される「役得」に、多くの国民は納得いかないだろう。」といった批判をしても、説得力に欠ける。まともな記事も書けない人間に、そんなことは言われたくない、と、批判されたほうも思うだろうし、国民の共感も得られないのではないかと思う。
アエラは、なかなかおもしろい記事を書くことがある、と思っていたが、今回の出来事で、信頼度は相当低下してしまった。
上記の記事は、署名入りで、警鐘のため、ここに執筆者の名前を書いておこうかと思ったが、個人攻撃は本意ではないので、記載しないことにする。興味のある方は記事を読んでみてほしい。