関東と関西、捜査・事件用語の違い

「チョウバ」で思い出しましたが、捜査関係者や事件関係者などが使う言葉にも、関東と関西(関西とそれ以外、と言ったほうが良いかもしれません)で違いがあります。
 例えば、「極道」と「ヤクザ」。関西では、「極道」という言い方が一般的でしょう。映画で「極道の姐たち」といったものがあって、今では、この言葉も「全国区」といったところですが、関西以外では、「ヤクザ」という言い方のほうが一般的ではないかと思います。関西で「極道」と言う場合、非難めいた語感ももちろん含まれてはいますが、「道をはずれた人」という、恐怖感、畏敬、といった、一種独特の語感も込めて言われているような気がします。映画も、「ヤクザの姐たち」では、迫力がないし、つまらないでしょう。
 他には、「他人を銃撃する」ことについて、「はじく」という言い方をされることが、比較的最近、増えていると思いますが(供述調書などでも見かけます)、これも、おそらく、関西から出た言い方のように思います。従来、けん銃について、「ハジキ」と言われることがあったので、それが動詞化して、「はじく」になったのでしょう。
 けん銃のことは、関西では「チャカ」と言うことも多いですし、「道具」という言い方もすると思います。こういった言い方は、次第に、関西以外にも広まっていると言えるでしょう。
 総じて、関西発祥の言葉(事件関係)が、関西以外へ次第に広まって行く傾向があると思いますが、その背景には、関西を拠点とする日本最大の広域暴力団の存在、映画などの影響、関西カルチャーが刺激的で印象に残りやすいこと(言葉も)といったことがあると思います。