広島着の最終「のぞみ」 30分ドア開けず窃盗捜査

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/09/27/kiji/K20130927006700420.html

乗客約310人が足止めされ苦情が出たが、騒ぎにはならなかった。
広島東署とJR西日本によると、走行中に乗客から「車内を物色している男がいる」と連絡を受けた車掌が広島県警に通報。別の客からも「かばんがなくなった」と相談があったという。
午後11時54分の到着後、警察官が乗り込み捜査を開始。ごみ箱から現金が抜き取られた財布が見つかったため、男の身柄を確保した上で、30分後に乗客を降ろした。

30分ドアを開けず、という点が、任意捜査として適法性があるか、ということは問題になるでしょうね。被疑者がどのように特定されたのかはよくわかりませんが、基本的に、乗客を対象に、警察官職務執行法上の停止、質問の範囲内で権限行使ができた、と考えるべきでしょう。あくまで任意で、身柄拘束に至るような「停止」はできないはずですから、車外に出たい、帰りたいと希望すればそのようにすべきで、そうしなかった、といった事情があれば違法性が生じてきます。記事にある「苦情」の中味によっては違法捜査になる余地があったのではないかという、微妙なきわどさを感じさせるものがあります。
この種の車内犯罪はよくあるもので、記事にあるような情報を得た際の運行事業者と警察の連携、乗客への協力の求め方について、日頃から工夫をしておくべきではあるだろう、という印象も受けました。

2013年09月27日のツイート

ペースメーカー:電車の「携帯電話電源オフ」再検討の動き

http://mainichi.jp/select/news/20130928k0000e040247000c.html

強い電波が出た「第2世代」と呼ばれる携帯電話が使用停止となった昨年、総務省が再度調査したところ、影響を与える距離は最大で3センチだった。このため今年1月、総務省は余裕をみて指針を「15センチ程度離す」と改訂した。

実は優先座席付近での携帯電話利用を巡るトラブルは絶えない。札幌市内では昨年8月、乗客同士の暴力ざたに発展し、運行が止まる事態になった。関西の大手私鉄幹部は「携帯電話の使用と禁止を求める双方からの苦情が絶えない。緊急地震速報の受信などを考えると、電源オフの不便も大きい」と本音を漏らす。
指針に関し、約30年間、ペースメーカー治療に携わっている板橋中央総合病院循環器科不整脈心不全診療部長の中島博医師は「胸ポケットに携帯電話を入れて抱き合うなどの特殊な状態が続く場合を除き、電波に干渉される可能性は極めて低い。電車内の放送は装着者に過大な恐怖を与え、普通の生活を送るために装着したはずの患者が、不安で電車に乗れないなど生活が制限される事態が起きている」と指摘する。

数年前に、地下鉄車内でスマートフォンを手にしていたところ、乗客の男性から、ペースメーカーに影響が出るかもしれないので切ってくれ、と言われ、あわてて電源を切ったことがあります。影響が出るものなら、切らなければならないと思いますが、上記の専門家である医師のコメントでは、「胸ポケットに携帯電話を入れて抱き合うなどの特殊な状態が続く場合を除き、電波に干渉される可能性は極めて低い。」とのことで(そういう特殊な状況が生じる可能性も極めて低いと思いますが)、それが実態なら、そもそも規制が必要なのか、規制するとしても限定的なもので済まないか、再検討は不可避でしょうね。
考えてみると、シンガポールなどで電車に乗っていても、スマートフォンを切れ、といったアナウンスや表示が出ていた記憶はありません。外国では、この問題はどのように取り扱われているかも気になるところです。
ただ、ペースメーカーという、故障が生命の危険に直結する機器に関する問題で、慎重な対応は必要と思いますし、女性専用車両のような発想で、例えば、端っこの車両の半分くらいは、携帯、スマートフォンを電源オフにして乗るべきものと決めておき、ペースメーカー装着者はそこに乗ってもらう、といった方法もあり得るかもしれません。