検察vs.小沢一郎―「政治と金」の30年戦争

検察vs.小沢一郎―「政治と金」の30年戦争

検察vs.小沢一郎―「政治と金」の30年戦争

2009年6月に出た本ですが、その時点までの、小沢一郎氏や陸山会に対する検察捜査の流れや周辺事情が紹介されていて、先月下旬の小沢氏に対する無罪判決後に読み直してみたのですが、頭の中の整理になりました。特に、この本の特徴は、報道機関が出した本でありつつも、検察へのシンパシー(笑)を貫きつつ検察ストーリーに沿って書かれていることで、それはそれで失笑ものではありますが、検察庁がどういった「見立て」で捜査を猛然と進めてきて頓挫したのか、ということがくっきりと浮き彫りになっていて、参考になりました。
鳴り物入りで猛然と進めてきた捜査の結果が、大山鳴動して、ではありませんが、形式犯としての色彩が濃厚の政治資金収支報告書虚偽記載での小沢氏立件を目指す、という、矮小化した話になり、それも嫌疑不十分で不起訴にせざるを得なかったものを、検察審査会が「拾って」強制起訴になり、それも無罪になったが、今度が指定弁護士が控訴して、という、ぎくしゃくとしたことを、ここまで延々と、何年も続けている、この事件は一体何だったのだろうか、という素朴な疑問が、本書を読み終えて、ますます強くなりました。

2012年05月15日のツイート

アップル共同創業者、フェイスブックCEOに上場で忠告

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2877939/8944861

アップルの共同創業者ウォズニアック氏は、1980年に株式を公開した途端、アップルは株主からの厳しい要求にさらされるようになったと回想した。「突然、株主たちが会社に対して命令し始めた。回答を求め、自分たちが望んだようにことが進まないと腹を立てた」
ウォズニアック氏は、フェイスブックIPO後はザッカーバーグ氏も株主たちに翻弄されることになるだろうと懸念し、注意するようにと忠告した。一方で「彼には集中して前進し続ける強さがある。うまくいくよう願っているよ」と27歳の若きCEOにエールを送った。

ウォズニアック氏も、自分にとってアップルで最も幸せだった日々は上場する前だったと言う。当時、ウォズニアック氏と故スティーブ・ジョブズSteve Jobs)氏が共に下した数々の決断は、最高の製品を創造したいという純粋な動機に基づいたもので、株主を喜ばせようとしていたわけではないと語る。

株式を公開、上場すれば、多数の株主の厳しい期待、要求にさらされることになりますから、人によっては巨利を得ても、会社にとどまる限り、厳しい日々が待っていることになります。圧力をかえってバネにして、より高いステージへと会社が発展する可能性がある一方、混迷し方向性を見失って失速するという危険性もはらむでしょう。それは、フェイスブックといえども例外ではなく、発展、衰退の岐路に、今まさに立っていると言えるのではないかと思います。
今は、フェイスブックがもてはやされていますが、インターネットユーザーは移り気なもので、より便利なもの、おもしろいものがあれば、一気に、波が引くようにそちらへ移って行ってしまいます。この世界が、ドッグイヤーといわれるのは、そういったところに原因があります。脚光を浴びつつも消えていった幾多の企業のことを思う時、上記のような、草創期からこの世界に身を置いてきたウォズニアック氏の言葉には、重く深いものがあると感じました。