http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2877939/8944861
アップルの共同創業者ウォズニアック氏は、1980年に株式を公開した途端、アップルは株主からの厳しい要求にさらされるようになったと回想した。「突然、株主たちが会社に対して命令し始めた。回答を求め、自分たちが望んだようにことが進まないと腹を立てた」
ウォズニアック氏は、フェイスブックのIPO後はザッカーバーグ氏も株主たちに翻弄されることになるだろうと懸念し、注意するようにと忠告した。一方で「彼には集中して前進し続ける強さがある。うまくいくよう願っているよ」と27歳の若きCEOにエールを送った。
ウォズニアック氏も、自分にとってアップルで最も幸せだった日々は上場する前だったと言う。当時、ウォズニアック氏と故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏が共に下した数々の決断は、最高の製品を創造したいという純粋な動機に基づいたもので、株主を喜ばせようとしていたわけではないと語る。
株式を公開、上場すれば、多数の株主の厳しい期待、要求にさらされることになりますから、人によっては巨利を得ても、会社にとどまる限り、厳しい日々が待っていることになります。圧力をかえってバネにして、より高いステージへと会社が発展する可能性がある一方、混迷し方向性を見失って失速するという危険性もはらむでしょう。それは、フェイスブックといえども例外ではなく、発展、衰退の岐路に、今まさに立っていると言えるのではないかと思います。
今は、フェイスブックがもてはやされていますが、インターネットユーザーは移り気なもので、より便利なもの、おもしろいものがあれば、一気に、波が引くようにそちらへ移って行ってしまいます。この世界が、ドッグイヤーといわれるのは、そういったところに原因があります。脚光を浴びつつも消えていった幾多の企業のことを思う時、上記のような、草創期からこの世界に身を置いてきたウォズニアック氏の言葉には、重く深いものがあると感じました。