9法科大学院が「不適合」 「適合」は5校だけ

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090330/trl0903302350020-n1.htm

結果によると、9校は、専任教員数が不足している▽専任教員が指導力不足▽成績評価が客観的かつ厳密に実施されていない▽新司法試験科目である法律基本科目に偏重したカリキュラム編成が行われている−などと判断された。
適合とされた5校のうち、駿河台大、中京大桐蔭横浜大の3校に対し、司法試験対策とみられる授業などの中止や改善を勧告、この点について報告を求めた。

「教員不足」「指導力不足」というのは困りますね。ただ、以前にも本ブログでコメントしたことがありますが、法律基本科目に偏重とか、司法試験対策とみられる授業、といったことが否定されるのは、それでなくても外国の制度のパロディ化し、迷走している法科大学院制度を、ますます現実から遊離させ、学者にも実務家にもなれない出来損ないを大量生産する、廃棄物中間処理場のような存在へとおとしめて行くのではないかと心配になります。学問とか真理といったものは現実から遊離しているものだ、などと開き直られてしまえばそれまでですが。
こういった認証とか評価に適合すればするほど、努力が空回りし、司法試験合格にも結実せず、貴重な時間が、お金が無駄になって行く、その責任を誰も取ってくれず、「自己責任」で片付けられてしまう、というのも怖いことで、振り込め詐欺等よりも、よほど悪質かつ国家的規模の詐欺、という見方もできるかもしれません。
こういう中で、「適合」を強いられる人々、特に法科大学院生は、一種の人間モルモットとして実験台になっているような面もあって、やり切れない思いをしている人はかなりの数にのぼりそうです。

あなたのブログ記事がlivedoorニュースに ブロガー募集中

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0903/30/news106.html

プロや専門家が書いた「面白い・ためになる」ブログを募集。同社が内容を確認した上で、livedoorニュースの記事として配信するほか、内容によっては「livedoor」のトップページでも紹介する。
livedoor blogの一部の記事は従来からニュースとして配信していたが、さらに広く参加ブロガーを公募。参加希望者はフォームから申し込む。記事掲載が決まれば、ライブドアから直接ブロガーに連絡する。

本ブログのエントリーが、ライブドアのトップページで勝手に紹介されていることが時々ありますが、持ち駒をできるだけ用意しておいて次々と繰り出そうということなのかもしれないですね。
ただ、ブログというものは(ネット上のコンテンツはどれもそうですが)、玉石混交で、正確で役立つものもあれば、不正確で役立たないもの、むしろ有害なものというものも多々あるので、ハンドリングを誤ると、面白くもなくためにもならないエントリーの垂れ流しということにもなりかねないでしょう。

法曹生活満20年

私が司法修習を終え、検事に任官したのは平成元年4月初めでしたから、間もなく法曹生活満20年を迎えます。法曹としての歩みは、平成の歩みとほぼ重なることになります。
20年のうち、最初の11年余りは検察庁、その後は弁護士に転じ、間もなく、検事生活と弁護士生活が同程度の長さになります。検察庁にいた当時のことは、次第に遠い過去のものになりつつあります。
最近、「しがない弁護士」ということについて、有名ブログを含め、あちらこちらで勝手に話題にしていただいていますが(笑)、市井の片隅で地味に、細々と生きている、ということを言っているもので、他意はありません。確かに、扱う事件、仕事の中には、有名なもの、世間に注目されるものもないわけではありませんが、そういったものはごく一部で、手がける大多数の事件、仕事は、有名ではなく世間に注目されるようなものではありません。しかし、事件、仕事にはそれぞれ顔があり、重要性があります。自分はしがない弁護士ではあるが、そうであるからこそ謙虚に、真面目に物事に取り組む、ということを日頃から心がけなければならないと考えています。
人にはそれぞれ進むべき道があり、向き不向きもあって、入った組織で立身出世するのも人生、組織から離れ、しがなく、細々とであってもいろいろな物事に真剣に取り組み自己実現を図るのも人生で、どういう人生を選択するかは、結局、それぞれの価値観、決断にかかっているでしょう。人生の価値というものは、他人があれこれ言っても、結局のところ、自分自身としていかに満足でき充足感を感じられたか、満足、納得して死ねるかということにかかっているのではないか、という気が、最近、しています。その意味で、私は、自分なりにその時点その時点で進路を選択し、紆余曲折を経つつも現在に至っており、過去を振り返り反省することはありますが、後悔はしておらず、今後も我が道を歩むだけ、というのが現在の心境です。

三橋歌織被告の責任能力、再び鑑定へ 夫殺害控訴審

http://www.asahi.com/national/update/0331/TKY200903310215.html

一審では弁護側、検察側がそれぞれ申請した2人の精神科医が鑑定し、いずれも「心神喪失だった可能性がある」とする結果を口頭で報告した。31日の公判では、弁護側鑑定医の証人尋問が改めて行われ、鑑定医は「殺害前から夢と現実の区別がつかない状態になり、持続していた。被告は自分の行動を制御することが困難だった」と述べた。

刑事の控訴審では、裁判をやり直したり、一審の続きをやるのではなく、一審判決の当否が事後審査されるという訴訟構造になっていますが、東京高裁が改めて鑑定を行う、というのは、一審で取り調べられた証拠や当事者の主張を見て、それなりに疑問を持ったという可能性が高いでしょう。
マスコミの多くは、セレブ妻によるバラバラ殺人、セレブ妻から殺人犯への転落、といった、おもしろおかしい興味本位の報道をしていましたが、責任能力にかなり問題がある、その意味では酌むべき事情も少なからずある被告人による犯行、ということが徐々に明らかになって、おもしろおかしく興味本位で報道したマスコミの姿勢にもかなり問題があったということは言えるのではないかと思います。