ギョーザ中毒 公表前にJT株急落 内部情報広がる? 監視委調査

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000130-san-soci

株価が急落したのは、一連の中毒事件を公表する2日前の1月28日。終値は前取引日の25日と比べ約5万円下げて56万2000円となり、約1割も下落した。出来高も5万2602株と、昨年5月24日以来の5万株を突破した。

インサイダー取引、という可能性もありますが、これが故意に基づく毒物混入事件であった場合、犯人グループが発覚前にJT株を空売りして巨利を得る、といったことが行われた可能性もあるような気がします。
かつて日本全国を震撼させたグリコ・森永事件も、そういった狙いがあってのことだったのではないか、という指摘を、何かで読んだ記憶があります。
あくまで推測の域を出ませんが、その気になれば、高度な技術も特に必要なく、それほど大きなグループでなくても実行可能だと思います。捜査の際には、そういった可能性も念頭においておくべきでしょう。

交番自殺の警官、異例の書類送検 「東京駅前」を重視

http://www.asahi.com/national/update/0206/TKY200802060112.html

巡査部長は昨年12月19日午前9時5分ごろ、東京駅構内にある同交番の机付近で、貸与されていた拳銃1発を右側頭部に発射した疑い。弾は頭を貫通し、外に向いた交番の窓付近に当たったあと床に落ちた。
交番は丸の内北口改札を出てすぐのところにあり、当時、目の前を通勤客らが歩いていた。銃刀法は道路、公園、駅などやその他不特定多数の人が使う場所、乗り物での銃発射の禁止を定めている。
警察官が警察署や交番で拳銃自殺した例はこれまでもあるが、トイレや奥の仮眠室、庭など閉ざされた空間が現場の場合、一般的に発射罪は適用されないという。

銃刀法では、

(発射の禁止)
第3条の13
何人も、道路、公園、駅、劇場、百貨店その他の不特定若しくは多数の者の用に供される場所若しくは電車、乗合自動車その他の不特定若しくは多数の者の用に供される乗物に向かつて、又はこれらの場所(銃砲で射撃を行う施設(以下「射撃場」という。)であつて内閣府令で定めるものを除く。)若しくはこれらの乗物においてけん銃等を発射してはならない。ただし、法令に基づき職務のためけん銃等を所持する者がその職務を遂行するに当たつて当該けん銃等を発射する場合は、この限りでない。

と定められ、法定刑は、無期又は3年以上の有期懲役と、かなり重くなっています(31条)。
記憶では、走行中の車両内(それ自体は密閉された空間)で発砲行為に及んだ、という事案で、上記の要件に該当すると認定され、発射罪成立が肯定された事件があったと思います(記憶だけでコメントしているので、多少、不正確かもしれません)。
上記の警官による自殺のケースでは、おそらく、交番自体が、「不特定若しくは多数の者の用に供される場所」に存在することが重視され、発射罪による送致、ということになったものと思われます。
被疑者死亡で不起訴になることが確実で、公判で検討されることはありませんが、発射罪の成否を考える上で興味深いケースと言えるように思います。

追記:

コメント欄でご指摘のように(ありがとうございます)、最一小決平成17年4月18日刑集59巻3号302頁でした。

最高裁時の判例 5―平成15年~平成17年 (ジュリスト増刊)

最高裁時の判例 5―平成15年~平成17年 (ジュリスト増刊)

の385ページ以下で、この判例の解説があり、その中で、前田巌・最高裁調査官(当時)により、

自動車内が閉鎖空間であるといっても、けん銃等の弾丸が窓ガラスや車体を貫通して車外に飛び出すことは容易に想定できるところである。そうすると、その車内でのけん銃等の発射は、車外での発射と同程度の危険性及び不安感を一般人に与えるものといえるのであり、当該車両が走行、停車する場所が、道路その他不特定又は多数の者の用に供される場所であるならば、車内もその所在する場所の属性から隔離されたものではなく、けん銃等発射罪の場所的要件に欠けるところはないといってよいであろう。そして、本罪が抽象的危険犯であることに照らせば、本件けん銃が自動車の外に飛び出す危険があるかなどは、当該車両が装甲車であったなど、特殊な事情のある場合を除けば、問題とする必要はないように思われる。

とされているのが参考になります。おそらく、このような考え方に立脚した上で、上記記事にある事件でも発射罪が認定されたのでしょう。

「雪山をなめていた」スノボ遭難7人の3日間

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080205-00000975-san-soci

廃屋が見つかりその中にいることができたことなど、偶然が積み重なり運良く生還できたようですね。今日の午前中も、都内では少し雪がちらついていましたが、当面、雪山でのこの種の事故の危険性は高いと思われるので、行く方には十分注意してほしいと思います。
今日の午前中、タクシーに乗っていたところ、この事故の話が出て、運転手が、捜索にかかった費用は相当なものでしょうね、と言うので、私は、日本はそれだけ人命を重視し多額の公費をかけても国民を見捨てない国家だと思いますよ、と言いました。どこの国とは言いませんが、人命があまりにも軽く扱われる、という国は世界には沢山あります。
以前、映画にもなった「評決」を読んでいた際、主人公の弁護士が、飛行中に行方不明になった女性パイロットのアメリア・エアハート

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%88

に言及しつつ、その捜索のためにいかに多くの費用や労力がかけられてきたか、それとは比べられないほど無名な原告(医療過誤の被害者)ではあるが、その失ったものがいかに大きく、償われるべきかを弁論で力説するシーンがあって(映画では簡単に済まされていますが)、感動を覚えるとともに、非常に参考になったことを思い出しました。
それぞれが、自己責任で、危険を回避するよう努めるのは当然のことですが、人命を尊重し救出のためには人も費用も投入できる国、という状態は、崩さず維持してほしい、という気がします。

「男性と面会」で女性拘束 戒律厳格なサウジ宗教警察

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008020600112&genre=E1&area=Z10

拘束されたのは、サウジ第2の都市ジッダの金融コンサルタントの女性(40)。出張で訪れたリヤドの事務所が停電していたため、打ち合わせを続けようと事務所が入っているビル1階の喫茶店に同僚男性と入った。そこに宗教警察が踏み込み、女性を拘置施設に連行して脱衣検査を実施、罪を認める調書に署名させたという。
宗教警察は、女性の服装や礼拝の励行など市民の日常生活をイスラム保守派の立場から監視する組織で、指導や取り締まりの行き過ぎが国内外から強く批判されている。

宗教警察は、記事によると、「勧善懲悪委員会」とも呼ばれているようですが、国情の違いとは言え、サウジアラビアへ行く日本人も十分注意すべきではないか、と思いました。
このような行為で身柄を拘束されるようでは、女性はかなり仕事がやりにくいでしょう。