「長久手町立てこもり事件」でTVドラマ差し替え 模倣防止・社会不安を回避

http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007060202020927.html

番組を変更する基準は、どこにあるのだろうか。
よりどころとなるのは、日本民間放送連盟の放送基準=表=だ。視聴者に不快感を与えないよう定めた第四十六、五十五項に加え、犯罪の描き方を規制した第六十七、七十項で、模倣による連鎖を防ぐ側面もある。

放送基準自体が抽象的なものであり、こういった措置を講じるべきかどうかは、ケースバイケースで検討せざるを得ないでしょう。人の感じ方はそれぞれであり、実際の事件・事故があれば、その後に放映されるドラマ等の中に類似性を見出し、不安、不快等の感情を抱く人は、少数であっても必ずいるはずで、どこで線を引くかという問題には、難しいものがあります。
中止や変更はせず、事件・事故の前から準備されていた旨のテロップを流しつつ放映し、理解を得る努力をするとともに無用な不安感等を抱かせないようにする、という方法で臨むことも、十分検討されて良いと思います。

<普賢岳大火砕流>3日で16年…追悼「いのりの灯」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070603-00000050-mai-soci

亡くなった消防団員、山下日出雄さん(当時37歳)の次男優樹さん(28)が、父を含む12人の団員と住民ら31人の犠牲者分の1回と合わせて計13回、鎮魂の鐘を打ち鳴らした。優樹さんは「長いようで短い16年でした」と語った。

この事故が起きたとき、私は、検事になって3年目で、徳島でごく普通の刑事事件の捜査・公判に従事していました。すさまじい火砕流で、非常に驚いたことをよく覚えています。
大自然の凄まじい力や、こういった災害を防止するためにはどうすべきか、といった教訓も残した、歴史に残る大事故だったと思います。「長いようで短い16年でした」という言葉に、重みを感じます。
改めて、亡くなった方々のご冥福をお祈りしたいと思います。

著作権侵害罪の非親告罪化

http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2007/06/post_b78b.html

私も、上記の小倉弁護士の見方に同感するものがありますが、付け加えるとすれば、刑事事件で立件する際に、権利者や捜査機関の負担がかなり軽減される、というメリットはあるでしょう。
私も、検事として、著作権法違反の事件を捜査、起訴した経験がありますが、親告罪である以上、起訴対象となっているものについてきちんともれなく告訴がされていないと公訴棄却になるので、かなり神経を使い告訴が欠けていないかどうか、起訴前にチェックしたことを覚えています。海賊版の事件で、対象物品の数が多いと、かなり面倒な作業になります。当然、告訴やその準備の段階でも、関係者にかなりの負担がかかることになります。権利者が海外にいる、というケースも、当然、出てきますから、そういう場合、面倒さ、煩雑さはますます募ります。
これが、非親告罪になれば、許諾したことはないとか処罰を求める、といったことについて、そこまで面倒な確認までしなくても済み、権利者としても、捜査機関としても、かなり楽になることは間違いないでしょう。
非親告罪化により、立件される件数が大幅に増えるとは考えにくいですね。この種の事件は、警察が自ら掘り起こして独自に立件する、という種類の事件ではなく、権利者やそれに準じる者の相談、届出があって立件される、というものであり、非親告罪となっても、そういった性質、構造は変わらないでしょう。
ただ、上記のように負担がかなり軽減されることで、立件しやすくなり、それが、立件数の増加につながる、ということはあり得ると思います。

ニフティ、無料ウェブメール開始・保存容量、国内で最大

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070604AT1D0101T01062007.html

ニフティの試算では、平均10キロバイトのメールを1日10通送受信すると、3ギガバイトに達するには100年近くかかる。「一生分のメールが保存できる」とアピールし、1年間で数百万人規模の利用者獲得を目指す。接続会員向けサービスは保存容量を5ギガバイトに拡張する。

これだけの容量は魅力的ですね。昔、ニフティの会員だったのですが、退会したことを後悔しました。この分野における競争は、今後ますます激化しそうです。利用者としてはうれしいことですが、メールアドレス(特にメインのもの)は、簡単には変えられないので、悩ましいところです。

政治にまつわる「死」(田勢康弘・日本経済新聞6月4日朝刊「核心」)

今日の日経朝刊「核心」で、田勢氏が、松岡前農水相の自殺について論じたものを読みましたが、今までに、この問題について私が目にしたものの中では、最も核心を突き、かつ、レベルが高いものではないかと思いました。
政治家が政治力を培養するために資金面で無理を重ね、次第に捜査機関のマークするところとなって行く状況や、そういった政治家が孤独の中で見えない影におびえ次第に追い詰められて行くということが、改めて強く感じられました。