日本の刑事裁判における「反省」

昨日、某外国の通信社(世界3大通信社の1つ)の取材を受け、質問されるまま、滔々としゃべりましたが、その際、日本の刑事裁判において、なぜ被告人の「反省」ということが、量刑上、重視されるか、ということを聞かれました。それについて、私は、以下のように答えました。

日本は、単一民族の国ではないものの、国土の中に住む大多数は単一民族であり、島国でもあって、国内で1つの共同体が形成されてきたという面がある。そういった共同体の中で犯罪を犯した者がいた場合、共同体として、再びそのような者をメンバーとして迎え入れられるかどうか、ということを決める上で、罪を認め反省し二度と犯罪を犯さないと誓っているかどうか、といったことが、人々の共通認識として重視され、刑事裁判にも持ち込まれて現在に至っているのではないか。そこでは、犯罪を犯した人々も、いずれは元の共同体に戻ってくる、ということが前提となっているし、このような事情は、被疑者や被告人を、罪を認め反省する、という方向に誘導してきた面もあると思う。
したがって、外国人には、上記のような意味での「反省」は、なかなか理解しがたいものがあると思うし、日本の刑事裁判について非常にわかりにくく感じる点の1つなのではないか。

このような話をする中で、近く判決が予定されているライブドア事件についても語りましたが、それについては、もし、記事になって各国に配信されることになったら、英語等で読んでみてください(記事になったら本ブログでも紹介します)。

43歳バツイチ入試センター係長、雨夜の凶行一部始終

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031225.html

午後7時。降りしきる雨の中、酩酊し、スーツをずぶぬれにさせた容疑者が女性の現在の勤務先、国立オリンピック記念青少年総合センターに姿を見せる。用心のためと上司2人が付き添っていたが凶行は止められなかった。上司らを包丁で威嚇。追い払うと、建物内に逃げ込んだ女性を追いかけた。
センター内で清掃作業をしていた石材クリーニング業の作業員2人が、女性に馬乗りになる容疑者を取り押さえたが、首など8カ所をメッタ刺しにした。犯行時「許さないぞ。殺してやる」と叫んでいたという。

強固な計画性の上での、確定的殺意に基づく犯行、ということが、これほど明らかな事件も珍しいでしょう。この事件なら、無罪になった鹿児島の選挙違反事件を捜査、起訴した検事にでも、安心して任せられます。
異性関係(同性関係も、ですが)のはかなさ、そういった関係の中では幸福と不幸は常に隣り合わせで、離れてしまった心を引き戻すことは困難であるということ、世の無常、といったことに、もっと冷静になって思いを致すべきでしたね。
こういった事件を防止するためにも、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070310#1173536340

のような適切なストーカー対策の重要性は高いと言えるでしょう。

大阪地検事務官、トイレでわいせつ落書き JR京橋駅

http://www.asahi.com/national/update/0313/OSK200703120094.html

男性検察事務官は6日午前7時半ごろ、JR京橋駅北口の男子用の個室トイレの壁に赤の油性フェルトペンで、女性の名を挙げて「拉致して、性の奴隷にしたい」などと落書きした疑い。

朝っぱらから、何の妄想に耽っていたのでしょうか。元々、そういった妄想を好むタイプだったのか、あるいは、仕事等でたまったストレスにでも影響されていたのか、よくわかりませんが、検察事務官としての資質にかなり問題があるのは間違いないでしょう。
大阪地検は、検事が庁舎内で割腹自殺を図ったり、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061212#1165852579

誤起訴で大問題を引き起こしたり、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070223#1172241628

と、不祥事が目立ちますが、職員のメンタルヘルス等に、もっと関心を持ち、こういった不祥事で関係者に迷惑をかけないように綱紀を粛正すべきではないかと思います。
次々と不祥事が起こり、そろそろ墜落事故が起きそうなJALに似た危うさを感じます。