「どうすれば日本人の賃金は上がるのか」

 

最近、賃金問題が取り扱われることが増えていますが、専門家が書いたもので、私のような経済の素人にもわかりやすいものを読んでみたいと思っていたところ、これがあったので読んでみました。野口氏の本で、「超整理法」等の仕事術以外のものは、読むのがこれが初めてかもしれません。

経済学者らしく、具体的な数値に基づいて論が進められ、現在の日本の、賃金問題での世界の中での立ち位置が私なりに理解できるように思われました。

野口氏が指摘し、私も共感を覚えたのは、生産性、付加価値を上げる努力をしていかないと賃金は上がらないということであり、そのためには社会の構造を徹底的に改革し、社会全体をそのような方向へ持っていかなければならないということでした。バブル崩壊後、多少は浮き上がることはあっても長期的には沈んできた日本社会を、思い切った改革により再び上昇気流に乗せなければならないでしょう。単に、苦しいから困っているからお金を配りましょう、ではなく、セーフティーネットは着実に設けつつ、社会全体が、選択と集中の流れへ向かう必要があることを痛感しました。