江戸時代の、特に後期における、史料に残っている性に関する記述をたどりつつ、人々の性に対する考え方や実態を明らかにしようとしていて、新書ながら、なかなか中身が濃いものがありました。
本書でも指摘されているように、江戸時代は、武士階級は性に幻覚、その他の階級はおおらかだったと語られやすいものがありますが、そのように単純には割り切れないものがあることが、本書を読みよくわかりました。
家庭における子孫を残すための性と遊里などにおける快楽のための性は、江戸時代においても二分されていましたが、そういった関係は近代においても残っており、そういったことを考える上でも本書は参考になりました。
いろいろと読んでいると勉強になります。