大阪地検と弁護士会が犯罪被害者救済でタッグ 弁護士紹介制度3月スタート

大阪地検と弁護士会が犯罪被害者救済でタッグ 弁護士紹介制度3月スタート(産経新聞) - Yahoo!ニュース

犯罪捜査などの過程で犯罪被害者と接する地検が、弁護士のサポートが受けられる制度があることを紹介。被害者が希望すれば、地検が弁護士会に取り次ぎ、弁護士会が犯罪被害者支援にたけた弁護士を選定し、被害者に紹介する。
事件の内容なども地検から弁護士会側に伝えられるため、円滑な受け渡しができるという。また、事件や被害者についての情報を地検と弁護士会側が共有することで、被害者が公判に参加するなどの際もスムーズに行えることが期待されている。

私が検事だった頃は、まだ、このような体制がなくて、こんなことがありました。

某地検で交通事故の公判を担当していた時、いつも傍聴席に来て何か言いたそうな感じで傍聴している初老の男女がいて、気になり、ある時、公判後に声をかけたら、案の定、死亡した被害者の女性の両親でした。今のように被害者保護、支援が進む前で、何もわからず、ただ傍聴しているとのことでした。涙ぐんだ感じで寂しそうに傍聴席に座っていた姿が思い出されます。

その後、公判の都度、公判後、今日はこういうことをやりましたと説明してあげると、とても喜んでくれて、その姿が今でもうっすら記憶に蘇ります。気の毒な事故で、センターラインオーバーの車両と正面衝突での、被害者には何の落ち度もない死亡事故でした。まだ若い娘さんで、そういう娘さんを大事に育ててきたことがうかがわれて気の毒でした。今でも忘れられない事件です。

今なら、上記の記事にあるような制度で、もっときちんとした対応が受けられたでしょう。しかし、亡くなった娘さんは戻りません。今でも辛い思いを抱きつつ生活しておられるのでしょうか。

制度が充実してきても、対応する人の気持ち、誠意も依然として大切だと思います。気の毒な被害者や関係者へ、協力しつつ、きちんと対応していきたいものです。