殺人罪で服役の女性 再審開始決定 裁判所「自然死の可能性も」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171220-00000010-kantelev-l27

男性患者の死因は人工呼吸器のチューブが外れて酸素の供給が途絶えたため、窒息状態になったこととされてきました。
しかし、西山さんの弁護団司法解剖の際の血液データを分析した結果、男性の死因は「致死性の不整脈」、つまり「病死」だった可能性が浮上。これを新証拠として提出したのです。

決定で後藤眞理子裁判長は「男性患者の死因が窒息であるのか病死であるのかは、司法解剖の所見からは判断できない」と指摘し、弁護側の主張を認めました。

私が昭和の終わりに広島で司法修習をしていた当時、再審請求中で話題になっていた事件が広島でありましたが、その事件でも、他殺ではなく病死ではないかが問題になっていた記憶があります。記憶では、米櫃か何かに頭を突っ込んで被害者(とされている人)が死亡していて、確かに、急に具合が悪くなって死亡していても、外形上はおかしくないなと、報道されている中の古い写真を見て感じたことが思い出されます。その事件は、事件記録が広島の原爆で失われていて、その後、再審決定には至っていないはずです。
再審ということを考える場合に、こうした「死因」の問題は、確定判決の証拠構造の脆弱性となっていることがあって、見逃してはいけないポイントになるということでしょう。