https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/219315
「意図的な狙い撃ちではなく、巨額の利権が動いている場所を注視していたら、安倍首相の知人らを利用する人物が芋づる式に引っかかっただけでしょう。利権に群がる面々が権力の中枢に集まるのは必然ともいえます。特捜部がチマチマした案件を手掛けても仕方がない。確実に“バッジ”を取りにいくため、アベ友案件の捜査に踏み切ったのだと思います」(落合洋司氏)
あくまで印象ですが、昭和から平成初めにかけての、自民党が磐石な体制を維持していた当時は、金の流れと職務権限、意思決定が巧みに分断され、なかなか疑惑の本丸が贈収賄として立件にまでは至りにくい傾向があったように思います。
有名なロッキード事件も、元の端緒はアメリカでの多国籍企業に対する調査で、かつ、田中角栄という、脇の甘い人物であったからこそ「首相の犯罪」が立件された側面があるでしょう。
それが、自民党の下野など様々な変化を経て、現在は、自民「党」やそこでの有力「人物」が権力をほしいままにして、そこに利権を求めて人が群がる、脇が甘い有力者の夫人が利用される、そういう構造が目立ってきているように感じられます。金の流れと職務権限、意思決定が合致するところにこそ、贈収賄の立件のチャンスが生まれるわけであり、その意味では、東京地検特捜部やその他の地検特捜部にとって、かつてないチャンスが到来しているという見方もあり得るのではないかと思います。
権力は腐敗する、絶対的権力は絶対的に腐敗するという言葉は、今後も真理であり続けるでしょう。そういう腐敗に、誰かが立ち向かわなければならないというのも、また真理だと思います。