大江戸御家相続 家を続けることはなぜ難しいか (朝日新書)

天皇陛下生前退位問題が大きく注目されている中、これをKindleで買っていたことを思い出し、通読してみました。
取り上げられているのは江戸時代の将軍家、大名家ですが、知っている話もあれば知らない話もあり、江戸時代において、家を存続させるため正室だけでなく側室も置くことができ、しかも、徳川将軍家の御三家、御三卿に見られるように、血糖が途絶えないためにスペアの家を用意するなど、苦心して備えていても、なかなか血統を絶やさずに存続させることが難しかったことが、様々な実例で初回されていて、こういうことは実に難しいものであることを、改めて強く感じました。
代表民主制の場合、代表者を選挙で選出することで、血統とは関係なく指導者を選ぶことができますが、世襲制の場合には、人間の生殖活動という、様々な要因、偶然に左右されるものに、世襲の可否という重大な物事が左右されるわけですから、そこに不安定さがつきまとうのは必然です。どうしようもない面がありますが、先人の苦労、工夫にも学ぶところは大きい(今更、側室制度というわけにはいきませんが)ということを感じました。
割とさらっと読めるので、こういったことに興味ある方にはお勧めできます。