http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160227-00000082-mai-bus_all
FBIが解除を求めるのは、容疑者のアイフォーンだけだが、アップルのクック最高経営責任者(CEO)は「1台だけの問題ではない。世界中の人々のプライバシー侵害につながりかねない」と反論。現在、解除が可能なソフトウエアがないため、新たに作る必要があり、いったん解除ソフトを作れば、今回の捜査以外にも使われたり、ハッカーや海外からのサイバー攻撃に悪用されたりする懸念があると主張する。
アップルが言っていることも一理どころか五理も十理もある感じで、なかなか難しい問題なのですが、私自身、検察庁にいたこともありその後弁護士になってからはインターネットの会社で働いていたこともあって、そういった経験からも、悪用されても誰も手も足も出ない領域というものが存在することによる大きなリスク、脅威ということを強く感じる面があり、厳格な手続に基づいてそういった領域にきちんと必要な光は当てられるようにしておく必要を感じるものがあります。その「厳格な手続で」というところが、とかくいい加減になりがちで、日本の刑事事件の令状は悪い見本ですが、では、アップルが強調するように運用すべきかというと、やはり躊躇は感じざるを得ません。
プライバシーとその限界という、極めて本質的なところが問題になっているだけに、当局とアップルが折れ合って決着するのは困難であり、ただ、経過やその過程でされた議論は、今後、歴史の中で確実に残り折に触れて振り返られることになると思います。