「名前などは巡回連絡カードで確認」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150219/k10015596461000.html

群馬県の24歳の警察官が小学生の女子児童を連れ去ろうとしたとして逮捕された事件で、この警察官が調べに対し、「巡回で自宅を訪ねた際に初めて女子児童を見た。名前などは巡回連絡カードで確認した」と供述していることが分かり、警察は職務上知り得た情報を悪用したとみて調べています。

巡回連絡カードは、警察官が住宅などを訪問し、名前や電話番号、それに家族構成などを聞き取って記入したもので、交番などで保管されています。

この情報は、人に関する基本情報として、捜査でも利用されていて、私が検察庁にいた当時も、立会事務官が交番に電話をかけ(一般外線ではなく警察電話で)、情報を見てもらっている場面を何度も経験したことがあります。当時は「簿冊」という言い方をしていた記憶がありますが、今でもそうなのでしょうか。
プライバシーに対する意識が高まる中、こうした情報を警察へ提供することに抵抗感を感じる人が増えているはずで、このような事件は、人々の警戒感、拒絶感をますます強めることになるでしょう。捜査など警察、検察庁の活動上、情報は正に「命」ですから、こうした基本情報が取れなくなることによる支障には多大なものがあると思います。それだけに、まずいことをやってくれたものだと苦虫を噛み潰している関係者は多いでしょう。
悪用防止のため、単に紙で保管して誰がいつどのようにアクセスしたかは不明、ではなく、デジタル化して管理し(元の紙のほうは厳重に保管しておいて)データへのアクセス状況を履歴で残すようにして悪用を防止する、といった対策も必要ではないかと思います。