明大元教授に有罪=「公正への信頼害した」―司法試験問題漏えい・東京地裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151224-00000030-jij-soci

裁判官は「司法試験の公正さに対する信頼が大きく害された」と述べ、懲役1年、執行猶予5年(求刑懲役1年)を言い渡した。

司法試験の長い歴史(終戦直後までの高等文官試験の時代も含め)上、問題が漏えいしたという不祥事はなかったはずで、それも試験委員が自ら、というのは悪質性が相当高いと評価されるものです。報道では、1回結審で次回判決となっていたので、被告人側の情状立証はきちんとされたのだろうか、実刑の可能性もあるのではないかと私は感じていました。
執行猶予の最長期間は5年で、通常は3年、長くて4年というところで、5年というのは、特に前科がない(と思われます)被告人の、この種事件の執行猶予としては異例に長いもので、こういったケースでは、裁判官が実刑をかなり検討した上でぎりぎりのところで執行猶予を付したという経緯にあることが多いものです。実刑(執行猶予を付さない)も十分あり得たと私は見ています。
再発防止といっても、試験委員自らが漏らすようでは完全な再発防止は困難で(試験準備期間中を含めどこかに閉じ込め外部との連絡を一切とらせない、といったことはできず)、今まで起きていなかったような、あり得ないはずのことが起きてしまうのは、それだけ日本国そのものの劣化が進んでいると見るべきで(残念ですが)、今後も司法試験でこうしたことは起きるのではないかと、私は悲観的に見ています。