社民党元党首 土井たか子氏死去

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140928/k10014936491000.html

土井氏は昭和61年に旧社会党の委員長に就任し、平成元年の参議院選挙では「ダメなものはダメ」ということばで「反消費税」を掲げ「マドンナ旋風」「おたかさんブーム」を巻き起こし、自民党過半数割れに追い込みました。
このときの与野党逆転について、土井氏は「山が動いた」という名文句を残しました。

振り返ると、平成元年の参議院選挙における社会党大勝は、戦後の自民党一党支配にほころびが生じて時代に合わなくなってきていた、戦後日本の転換点であったような気がします。日本国民が、まだ前途に明るい希望を見出せていた、そこを曲がればその先にもっと良いものがあるに違いないと思っていた、幸せな時代であったという気もします。土井氏の存在は、そのような希望(幻想)の旗印のような面が、おそらくあって、現在のように、曲がった先には何も良いものはなかった、これからの日本はどうなるのか、という時に亡くなるのも、因縁めいたものを感じさせられます。
人は理想だけでは生きられず、理想と現実をうまく折り合わせなければなりませんが、でも、理想を忘れてはいけない、理想なき現実だけでは落ちて行くだけだと、土井氏は言い残したかったのではないか、という気がしますし、我々は、そういう課題を抱えながら、これからもより良き社会を目指さなければならないのでしょう。ご冥福をお祈りします。