「令和を生きる 平成の失敗を越えて」

 

 一昨年の令和元年に出た本ですが、読んでいなくて、最近になって読みました。歴史に精通した半藤氏と博学な池上氏の対談で、なかなか読み応えがありました。

私が司法修習生を終了し、検事に任官したのは平成元年(1989年)で、私自身の社会人としての歩みは平成とともにありました。その平成が2人の対談により振り返られ、自らの歩みと重ね合わせながら平成史を振り返られたのは、この本を読んだ大きな収穫でした。

ざっくりと私なりに総括すると、平成は、日本の社会構造や人々の意識が大きく変わり、また、戦後の様々な制度疲労、劣化も顕著になって、思い切って大きな変革を行うべきであり、それができたにもかかわらず、無為に過ぎた30年だったと思います。例えば、少子化にしても、平成の早い時期に思い切った手を打っていれば、違った展開になっていたでしょう。様々なことが、もう手遅れになって令和になり、令和令和とはしゃいでいたら、新型コロナウイルスで社会がめちゃくちゃになってしまったというのが現状だと思います。

平成という時代を振り返る上での好著だと、読み終わって感じました。