http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120923-OYT1T00382.htm
指定弁護士は控訴後、有罪立証を補強するため、代表の事務所関係者を事情聴取し、秘書を経験した女性と男性の調書を作成した。2人は2000年頃まで事務所に勤務し、男性はその後に衆院議員も務めた。
2人は「代表は事務所費の細かい点までチェックしていた」「速やかに仕事の報告をしないと厳しく叱責された」などと供述。指定弁護士側は、これらの調書を「代表は石川被告から土地取引の細かな経緯まで報告を受けていなかった」とする1審判決の認定を崩す“武器”と位置付けていた。
しかし、代表の弁護側が「00年までの秘書業務一般について語っているに過ぎず、04〜05年分の起訴事実とは関連性がない」として、証拠採用に不同意としているため、調書が証拠採用される可能性は低い。
本件では、公判前整理手続が行われ、そこで立証が予定されていなかった証拠の申請は制限される上、刑事の控訴審は「事後審査審」という構造を持ち、控訴審での新たな立証はやむを得ないものに制限されることになっていて、新たな立証は二重に制限されることになります。
上記の記事にあるような事務所関係者の供述、証言は、検察官役を務める指定弁護士による立証の証拠構造に照らしても、元々、地裁での審理での段階で立証しておくべきもので、控訴審段階で裁判所が取り立てて新たな立証を許すべきものとは考えにくいと思います。
裁判所が、本件について、無罪判決を維持できるかどうか微妙である、といった心証を持っていれば採用の可能性がありますが、そうでなければ、新たな立証としては許されない可能性が高いでしょう。かなり迅速に進行しているところから見ても、東京高裁が、無罪判決に疑問を抱いたり見直しの必要性を感じている可能性はかなり低いと思います(そう感じていれば、時間をかけて検討しようとして、もっとゆっくりとしたペースで進行させるでしょう)。
私の見方としては、8割から9割方、1回結審、次回判決、となる可能性が高いのではないかと思います。