http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120726/1042156/?ST=life&P=1
「アップルで彼がどんな仕事ぶりだったかはわかりませんが、彼を実際に知らない人が本を通して抱いている印象と、私のように彼のもとで働いてきた人間が抱く印象はまったく違うと思います。私たちピクサーの人間にとって彼は、心の温かい共同作業者であって、友だちでもあるという存在だったんです。彼は私たちに制作の自由を与えてくれ、一方で、必要なときには頼れる存在でした。電話やメールでアドバイスを求めたらすぐに答えてくれる、そういう人でした」
最後にジョブスとの思い出を尋ねると、「たくさんあるわ」と笑顔を浮かべたサラフィアン。「彼はこの映画の完成を待たずに亡くなってしまったけど、最初のバージョンを見て、とても誇りに思ってくれたんです。この映画のテーマが家族の絆や家族愛だったことも大きかったでしょう。彼自身、非常に家族思いの人だったので、この映画をすごく喜んでくれたのがいい思い出ですね」。
しんみりする、良い話ですね。
スティーブ・ジョブズの業績は、もちろんアップルでのものが最大ではありますが、ピクサーで、素晴らしいアニメを次々と生み出し、多くの人に、楽しみや夢、希望を与えたという業績にも大きなものがあります。
仕事に賭ける、厳しい人生を送り、その人生は決して長いものではありませんでしたが、最後になって、自らが育てたピクサーが、こうした家族の絆や家族愛を描く作品を完成させようとしていることを知りながらこの世を去ったということに、彼をいたわりつつ送るにふさわしいものであったのではないか、ということを感じました。それにしても、もっと生きて活躍してほしかったですね。残念です。