- 作者: 堀川惠子
- 出版社/メーカー: 日本評論社
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先日、
- 作者: 堀川惠子
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を読んで、
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120326#p3
とコメントしたのですが、同じ著者の前著にも興味を感じて読んでみました。
「永山基準」に名を残す永山則夫元死刑囚について、事件やその後の公判、関係者の姿を描いたもので、かなり精力的な取材が行われたことがよくわかり、関係者の様々な思いも含め丹念に紹介されていて、この事件や永山基準に関心を持つ人にとっては必読の1冊と感じました。
永山基準自体は、死刑制度の存在を前提としつつも、死刑を出しやすくしようと意図したものでも、その逆でもなく、あくまで、死刑を科す際の判断枠組を示したもの、と私は理解していますが、その枠組に何を読み込むかは、読み込む人やその時々の社会状況、さらには国民感情といったことに影響を受けざるを得ないと思います。刑罰というものは、人、社会、その国の国民とともにあるもので、ある時代には正しいとされていたものに、徐々に疑問が持たれ、時代の流れの中で正しくないとされることもあって、死刑というものも、その可能性を常に持つ刑罰、ということは言えるでしょう。そういったことを考える上でも、参考になり折に触れ読み返すべき良書であると感じました。