http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120401-00000002-jct-soci
日本で百科事典が盛んに出版されたのは1950年代後半から70年代初めにかけてで、当時は多くの家庭の本棚に百科事典がずらりと並んだ。今ではほとんど見かけない「百科事典の訪問販売」も盛んに行われた。
しかし現在、書籍の形態で百科事典を刊行し続けているのは平凡社のみだ。
私が生まれたのは1964年ですが、子供の頃のイメージとして、こうした百科事典は、知の象徴であり、お金持ちの立派な家には、本棚にずらりと並んだ百科事典があって、という感覚がありましたね。訪問販売員がいたのも、子供心にうっすらと覚えていて、人々の、知への憧憬に働きかけながら販売する、といったものであったと思います。
とは言え、こうした情報は、紙よりもデジタルのデータで持っておいたほうが、参照しやすく、かつ、場所もとりませんから、紙からデジタルへ、という流れは必然でしょう。そのほうが、情報の更新もしやすく、利用者にとって便利でもあります。
そのように媒体は変化しても、ウィキペディアのように、どこの誰が記載したかわからないものでは信用性に限界がありますから、百科事典というものの存在価値やそういったものへの需要は、なくなることはないと思います。ただ、どのようにして、かけた資金を回収し一定の利益を上げるかについては、従来のビジネスモデルが通用しないだけに、悩ましいものはあるでしょう。