東郷元帥の刀、100年ぶり帰国 英社、FX商戦に一役

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東郷元帥は1905年の日本海海戦で、当時無敵とされたロシアのバルチック艦隊を打ち破った。その時に乗船していた戦艦「三笠」は、英国のビッカーズ社(現BAEシステムズ社)が造ったもの。6年後に渡英した東郷元帥は、ビッカーズ社と同社の地元市にお礼として刀を贈った。
BAE社は今年9月、戦闘機ユーロファイターを引っさげて、選定が進む空自のFX商戦に参入した。日本の関心を得るため、地元市の博物館に保管されていた刀を持参。多くの日本政府関係者が出入りする英国大使館に展示した。

英国は、幕末の外交官アーネスト・サトウ当時から日本を徹底的に研究し、かつては日英同盟を結んでいたほどの国ですから、日本人の感情に訴えるものが何か、ということを、さすがに熟知していますね。
三笠は、西郷従道山本権兵衛が、切腹覚悟で予算を流用して六六艦隊計画の中で整備し、連合艦隊旗艦として東郷長官が座乗し、日本海海戦バルチック艦隊を撃滅しましたが、記念艦として横須賀で保存された後、戦後は、一時、荒廃していたものを、東郷長官を尊敬していたニミッツ提督の努力や寄付などにより復興して再び保存され、現在に至っています。その三笠を建造した会社の後身が、ユーロファイターを日本に売り込んでいることに、歴史の因縁を強く感じるものがあります。
次期戦闘機は、感情論ではなく、冷徹に、日本の国益を踏まえて決定される必要がありますが、上記のような歴史を考えると、三笠とユーロファイターがだぶって見えてしまうことを、どうしても禁じ得ないものがあります。次期戦闘機に採用された暁には、三笠にならい、日本の空を、国民を守る守護神のような存在になってほしいものです。