グルーポン、「バードカフェ謹製おせち」問題を受け今後の対応発表

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110105_418108.html

今回の問題の原因についてグルーポンは、バードカフェの品質管理や製造管理、配送管理などが十分適切であることを見極められなかったためと説明。また、購入者の問い合わせ窓口がメールのみだったことも、事態の把握と対応の遅れにつながったとしている。

今後の対策としては、GROUPON掲載店舗に対する事前審査を厳格化するとともに、クーポン購入者からの専用お問い合わせ窓口を設置するとコメント。また、社内教育および業務管理体制をより一層強化するとしている。

グルーポン利用規約を見てみたのですが、

http://www.groupon.jp/about-terms/

わかりやすく言うと、ネットオークションのような、「場の提供」型のサービスと言えるでしょう。
それがよくわかるのが、利用規約の第2条で、

第2条(サービスについて)
1.本サービスは、当社が、会員に対し、本サービスの参加加盟店が提供する商品・サービス(以下「加盟店サービス」といいます)の提供を受けることができるクーポンの販売を行うものです。
2.会員は、本サービスを通じて購入したクーポンを本規約に従って参加加盟店に提示することにより、参加加盟店から加盟店サービスの提供を受けることができます。
3.本サービスは、当社がクーポンを購入した会員に対して加盟店サービスを提供するものではありません。したがって、当社は、クーポンを購入した会員に対して、加盟店サービスを提供する義務を負いません。
4.会員は、自らの責任において購入したクーポンを利用することになります。当社は、加盟店サービスについて何らの保証も行わないものとし、加盟店サービスに関する問い合わせは会員が参加加盟店に対して直接行い、当社はこれに関して一切責任を負わないものとします。万一会員と参加加盟店との間でトラブルが生じた場合には、当社に一切の責任はなく、会員と参加加盟店との間で解決していただくことになります。

とされています。要するに、うちはクーポンを売っているだけで、サービスについては加盟店と直接話してくれ、うちは何も保証しないし、クーポンを買った後はおたくらの自己責任だよ、ということですね。
記事では、「クーポン購入者からの専用お問い合わせ窓口を設置する」とありますが、利用規約では、上記の通り、「加盟店サービスに関する問い合わせは会員が参加加盟店に対して直接行い、当社はこれに関して一切責任を負わないものとします。」とあり、また、利用規約14条1項では、「当社と利用者の取引はクーポンを発行した時点をもって完了し、以後当該取引に関して、当社は本利用規約に定めるほかには何らの義務を負わないものとします。」とありますから、クーポンを発行した後は、グルーポンが一切の問い合わせに応じる義務はない、ということになり、やる義務のないことを「やってあげている」顧客サービスということになって、クーポン発行後の問い合わせ対応については、いつなくなっても、利用者は何の文句も言えない、ということになるでしょう。
今後、改善される可能性はあるかもしれませんが、現時点では、利用者がかなり大きなリスクを負うサービスと言え、その意味では、先日来、問題になっているペニーオークションと似ていると言えるようにも思います。
利用する人は、安くなっている裏にはリスクもかなりある、ということを認識、理解して利用する必要がありますが、実態としては、なかなか難しいでしょうね。