コストダウンもできない「生ぬるいリストラ」がJAL再建を危うくする ついに財務省まで2次破綻を懸念し始めた/町田 徹

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100824-00000001-gendaibiz-bus_all

ここへきて、より深刻な問題となっているのは、1月の会社更生法の適用申請以降、実際に再建可能なリストラ策とビジネスモデルの再構築を再建計画に盛り込むことによって、更生計画の提出期限までには取り付けられる可能性があると見込まれていた、主要行からのリファイナンス(追加融資)の協力を最後まで取り付けられずに期限が到来しそうなことである。
これは、追加で融資をしても回収し損なうことはないと銀行が判断できるリストラ策やビジネスモデルの再構築を、機構とJALが打ち出せなかったからだ。つまり「銀行として、JALの2次破たんのリスクは小さくないと判断した」(主要行関係者)ということなのである。

「6月段階の計画によると、ユニット・コストは、2009年の1座席当たり・1キロ当たり12.6円という実績 が減るどころか、2011年度に13.0円、2012年12.7円と高止まりが続く内容になっている」
もともとJALは国際航空業界のライバルたちと比べて、このユニット・コストが高いという弱点がある。あえて、最近話題のローコストキャリア(格安航空会社)の中でも低いところと比べると、「JALは5倍近い水準にあり、とても競争力を養うことなどできないと判断した」(同)らしい。
付言すれば、JALは過去数年、いくつも再建計画案を作っており、一時は、ユニット・コストの削減を模索したこともあった。が、今回、最終的に、ユニット・コストの増加を容認する生温いリストラでお茶を濁した背景には、豊富な資金を持ちながら、航空業界にはズブの素人である機構が再建のスポンサーに就いたことが影を落としたという。

高コスト体質が是正できず、売り上げも伸びないということになると、2次破たんということも、単なる抽象的な可能性では済まないかもしれませんね。
JAL救済のため巨額の公費が投入され、今後もさらに投入される可能性があるわけですが、そこまでして救済する必要があったのか、疑問を感じる人も多いでしょう。JALがなくなっても、採算が取れる路線であれば引き継ぐ会社(格安航空会社も含め)も出てくるはずであり、採算が取れない路線は、そもそも営業運航することに適さないものですから廃止するしかないでしょう。廃止すれば地方在住者が不便を強いられるとか地域振興に悪影響が出るといった事情は、それ自体としては理解できますが、そうならないために採算を度外視して飛行機を飛ばせろというのは無茶な話で、そういった無理難題に政治家も加わって横車を押しまくってきたことが、JAL破たんの原因の1つにもなっていることは忘れられるべきではないと思います。
存在すればするほど、貴重な公費が垂れ流されて行くのであれば、どこかで、そういった悪循環を断ち切り、存在すること自体が悪であるものは抹殺して禍根を断つ、ということも、決断すべきではないか、徐々に決断の時が迫っているのではないかという印象を、強く受けるものがあります。