オバマ大統領、妊娠中絶を容認 前政権から方針転換

http://www.asahi.com/international/update/0124/TKY200901240042.html

オバマ氏は声明で、この問題について「政治問題化に終止符を打つ時だ。家族計画に関する新鮮な論議をし、世界の女性のためになる一致点を見いだす」としている。
保守派の反発をあおらない意図からか、大統領令への署名はメディアに公開されなかった。キリスト教保守派の指導者からは「世界の胎児への拷問を輸出する命令だ」と反発の声があがっている。

政治家の人気というものは、様々な「欲」に裏打ちされた期待に支えられているもので、期待値が高く人気が高ければ高いほど、人々が裏切られたと感じた時の反動、落ち込みは大きいものです。一見、順風満帆で船出したオバマ政権ですが、その意味で、いつ爆発するかわからない巨大な時限爆弾をいくつも抱えていると言っても過言ではないように思います。
オバマ大統領は、「ひとつのアメリカ」を強く主張していますが、ひとつになることを阻む大きな原因の一つが、この妊娠中絶問題でしょう。
比較的最近では、

中絶一部禁止法は「合憲」 米連邦最高裁が判決
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070421#1177112016

ということもあって、保守派が優位を占めつつあった米国連邦最高裁の今後の動向(特に、オバマ大統領が今後指名する最高裁判事が加わった際の妊娠中絶問題に対する判断)というものも注目されます。
政治家として、単なる八方美人で終わるのか、自らの主張を出しうまく国論を統一して行けるのか、あるいは自らの主張を前面に出すことで混乱が混乱を呼ぶ事態となり人気も低下して行くのか、現在の熱狂が次第に鎮静化する中で、オバマ大統領の真価が徐々に問われるように思います。