<米大統領選>オバマ氏演説「私たちはできる」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000122-mai-int

この勝利は皆さんのものだ。私は最初から大統領に最も当選しそうな候補者だったわけではない。金もなかったが、労働者たちが5ドル、10ドル、20ドルと献金してくれた。極寒の日もうだるような暑さの日も見知らぬ人の家のドアをたたいて回った人々のおかげで選挙運動は力を得た。人民の、人民による、人民のための政治が滅んでいなかったと。

リンカーン大統領の、あまりにも有名なゲティスバーグ演説の一節を引用しているところに、オバマ氏自身が、リンカーン大統領を意識し、自らの役割を強く自覚していることを感じさせるものがあります。
リンカーン大統領が、南北戦争で勝利をおさめ国家分裂の危機を乗り越えたように、オバマ次期大統領にも、様々な価値観、宗教等の違いから、統合ではなく分裂に向かいがちなアメリカを、人民の、人民による、人民のための政治といった理想の下に統合して行くという困難かつ重要な役割が期待されていると言えるでしょう。さらに言えば、衰え、ほころびが見えるとはいえ、いまなお強大なアメリカの国力を、世界平和、安定のため活用してほしいと願う人々も、世界中にいるはずです。
オバマ氏の演説をテレビで見ながら、アメリカ国民ではない私自身も、かつて同国民がリンカーン大統領に対して持ったよう大きな期待のようなものを感じる思いがしました。