http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140210/waf14021007550002-n1.htm
法廷に立った被害者が証人尋問の際に「近江八幡」と発言した部分について、もらった資料には「近江80000」と記載されていた。さらに、文章のあちこちが中途半端に途切れたり、一部がごっそり抜けていたりして、きわめて読み取りづらい状態だった。
速記官は、法廷内での裁判官と被告、検察側や弁護側のさまざまな発言内容を、身ぶりなども含めて記録してきた。しかし、最高裁は平成10年度に速記官の新規採用を中止した。その主な理由は、速記官が使用する専用のタイプライターの需要が減るなどして調達が難しくなったこと、録音機器の性能の向上や普及が進んだことなどだった。
この問題については、以前、本ブログでも
「速記の技見直して」 議会など、機器導入で人数激減
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060417#1145277062
裁判員「メモなし」で本当に大丈夫?
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090705#1246720675
とコメントしたことがありますが、速記官が正確な速記を取り調書が作成されることによるメリット(特に裁判員裁判では、特定の証言、供述を正確に確認できたりしてメリットが大きいでしょう)を考えると、このまま消滅させてしまうのは国家的損失で、速記官の養成を再開して需要に応える措置を講じるべきだと思います。
速記官が入った法廷を経験するとわかりますが、微妙な、言葉遣いや表現の違いを、速記官はその持てるスキル、経験から瞬時に判断してくれます。また、その場にいることから、わからない場合はわからない、と言ってくれて、わかるように言い直すことも可能になります。こういった機能は、機械、ロボットではなかなか難しいところで、やはり人を介することで正確を期すべきでしょう。