昔、聞いた話

<前夫の子>届け出女性を不実記載で「誤って」起訴 地検
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070216#1171630010

で、

関わった区役所の担当者に、電話でもかけて聞いてみれば、起訴できない事案であることはすぐにわかるでしょう。

と述べましたが、昔、検察庁に入って間がない頃、先輩検事から、捜査ができると定評のある検事の話として、次のようなことを聞いたことがありました。
その検事が起訴した事件の一件記録を見ると、最後のほうに何通も電話聴取書がついていて、その検事が、起訴前に、ちょっとした気になる点があると、いろいろなところに電話をかけて確認し、その結果を電話聴取書という形で添付していることがわかり、あれなら決裁官も安心して決裁できるし、起訴に間違いも起きにくいだろう、相手を呼ばないと事情が聞けない、と固く考えすぎるのではなく、電話で十分に用が済むのならどんどん活用したほうが良いと思った、といった話だったと記憶しています。
また、別の検事(関西では検察の歴史に残るほど著名)が検事正だったときに、その下で仕事をしたことがある先輩検事の話では、その大検事正は、事件が未済になり処理に時間がかかっていることに、全然文句を言うことがなく、徹底した捜査を行えば時間がかかるのは当然だ、と言って、まったく気にかける様子がなかった、ということでした。未済事件の処理に汲々とする現在の検察庁では考えられませんが、なかなか迫力がある話で、そのことも、併せて思い出しました。
上記のようなことが、どちらか1つでも実行できていれば、上記のような誤起訴は起きなかったでしょう。