http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070115#1168868472
で、検事の育児休暇が話題になっていましたが、私は、在職中、リフレッシュ休暇というものを1か月とりました。1999年の9月のことでした。
今でもそういう制度が存在しているかどうかは知りませんが、当時は、10年くらい勤務した検事に、1か月ほど、「自分の有給休暇を使って」(この、けちくさいところが、いかにも検察庁らしいところですが)、休暇を取得させてやる、という制度がありました。それ以前は、海外留学、研修の機会がなかった「その他大勢の」検事を集めて、欧州かアメリカ(ほとんど全員が欧州を選択)に、物見遊山、ではなく(本当は物見遊山だったかもしれませんが)、見学旅行に行っていましたが、予算をつけてもらえなくなったのか、それがなくなり、代わりに導入されたのが、このリフレッシュ休暇制度でした(という理解で間違いないと思います)。
私も、休暇を取れる対象になっていたので、1か月休んで、ぶらぶらしていましたが(お金もなく、旅行などもせず、自宅やその周辺で本当にぶらぶらして過ごしました)、身体が休まり、疲れがとれるのが実感できて、有意義なものだったと思います。
ただ、これが、検事としての自分の前途にどのように影響したかを、その後の異動先も含め、振り返って考えてみると、プラスではなく確実にマイナスだった、と思います。翌年、さっさとやめてしまいましたから、マイナス面が顕在化して苦労する、ということはありませんでしたが、あのまま辞めずに働き続けていれば、リフレッシュ休暇を本当にとった検事、として、陰に陽に不利益な取り扱いを受け続けていた可能性が高いでしょう。
検事正とか次席検事などは、公の席では、職員に対し、「健康に留意し、休暇も積極的にとってほしい」などと、きれい事を口にしますが、それを真に受け、本当に健康に留意して休暇を積極的にとったりすると、確実に印象が悪化しますから、検察組織内での立身出世、栄達を本気で望んでいる人は、そういったきれい事を、くれぐれも真に受けないほうが良いでしょう。ただ、真に受けずに無理に無理を重ね、健康を損ねたり、家庭不和になったり、最悪の場合、死亡したりしても、無理を強いた人々が責任を取ってくれるはずもなく、損をするのは、結局、自分自身、ということも、よく覚えておいたほうが良いと思います。
こういう、じめじめした職場環境では、組織における自分の将来を真面目に考えている人であればあるほど、育児休暇等の比較的長期にわたる休暇をを思い切ってとれない、という状態がいつまでたっても解消されないでしょう。
これも、また、「美しい国」の実態、ということです。