福島の事件について

私がロンドンへ行っている間に、前知事の逮捕に至っていますが、元知事は否認、弟も否認、と報道されています。
利益供与が、前知事に対して直接行われたという形態ではなく、前知事の関与があるとしても、弟を介するという形態であったものと思われますから、両名が否認という状態で、東京地検特捜部が逮捕(特捜部の逮捕は、起訴できるという高度の見込みに基づいて行われるものです)にまで至った、手持ちの証拠関係というものに、興味が生じてきます。
もちろん、見ることはできないので推測になりますが、私なりに推測してみると、
1 前知事、弟以外の身近な人物から、「元知事から、あるいは弟から、賄賂性を認識しつつ供与を受けた、という打ち明け話を聞いた」という供述調書が作成されている
2 弟の会社関係者(あるいは、それに近い人物)から、「弟から元知事へ、問題となっている金についても報告がされている」という、ある程度具体的な供述調書が作成されている
3 贈賄側から、例えば、見聞きすることがあった弟の言動として、「知事には予め報告してあります、了解済みです」といった供述が出て、調書化されている
4 その他、共謀や共犯性を裏付ける書類、手帳、メモ等が押収されている
といったことが、可能性として考えられるでしょう。
1から4を前提に、前知事や弟が厳しく追及されているのが現状と推測され、特に、1から3を得る過程において、相当厳しく取り調べ等が行われ、耐えかねた関係者が自殺や自殺未遂に至っているのではないかと私は見ています。
上記の1から4だけでは、決定的なものとは言えず立証として脆弱なものが残りますから、特捜部としては、前知事、弟の、少なくともどちらか、できれば双方から、共謀や共犯性を含めた自白をとりたい、と必死になっていることと思います。
あくまで推測です。