「検索が支配する民主主義」(アエラ2006年5月15日号・26頁以下)

なかなか興味深い記事でした。
インターネットが普及し、検索により情報収集を行うようになると、検索エンジンが何を上位に表示するか(表示しないか)によって、人々が接することができる情報がコントロールされる、という側面が生じるのは事実でしょう。特に、検索エンジンが寡占化すれば、そういった傾向(同時に危険性)は強くなるとも言えると思います。
ただ、私は、だからと言って、「検索が民主主義を支配する」とは思いません。むしろ、インターネットを利用する人々が、検索エンジンのそういった傾向や危険性を十分認識し、検索エンジンの運営者に対して、合理的な検索結果の表示や、恣意的な排除をしないこと、といったことを常に要求することが必要であり、それができない検索エンジンは利用者から見放され市場から退場するしかない、という状況を作って行くべきでしょう。単に受動的に検索エンジンを利用するのではなく、今後は、「他の検索エンジンで表示されるものが、なぜこの検索エンジンでは表示されないのか?」といったことを考えてみる、そういった視点も、利用者には必要であり、そのような利用者が増えることが、検索エンジンに民主主義を支配させるような事態を招かないためには不可欠ではないかと思います。