法科大学院・非常勤講師の報酬など

某巨大匿名掲示板へのネタ提供、というわけではありませんが(笑)、ちょっと紹介しておきます。
私の場合、担当科目は1科目、週に2コマを担当していましたが、振り込まれた報酬は、一月あたり6万540円でした。給与明細が手元にありませんが、源泉徴収後の金額で、交通費(往復で500円くらい)が加算されているはずです。
大学への往復時間、担当する授業の時間、そのための準備、を考えると、弁護士としては、割りの良い仕事とは到底言えないでしょう。
国選弁護の報酬が安い安いと言っても、1件やれば8万円から9万円はもらえますが、法科大学院の非常勤講師を、上記のように担当すると、1か月に、どう考えても通常の国選弁護1件よりは、はるかに負担がかかります。
お金目当てなら、全然割に合いませんが、主に、事例問題(刑法と刑事訴訟法にまたがるもの)をロースクール生と一緒に検討するスタイルで進めたので、私自身の知識を整理し、確認する上でも良い機会で、勉強になりました。
また、課外で、今年の8月から9月にかけて、池田・前田「刑事訴訟法講義」を読み込む形での勉強会も行ったので、刑事訴訟法についても、最新の基本書を一冊読んで、判例の整理、確認もでき、こちらもかなり勉強になりました。
自分の勉強にもなったので、損したとか、報酬が安くてやっていられない、などといった不満はないですね。そういったプラス面も期待できたので、非常勤講師を引き受けた、と言えると思います。
私の勉強だけでなく、受講していたロースクール生の勉強にもなったのではないかと思いますが、こればかりは、直接聞いていないので、断定はできません。
合格者を増やせなどと、いろいろなところに圧力をかけて回るのも結構ですが、日頃からの地道、着実な勉強が最後にはものを言う、ということを忘れるべきではないでしょう。
法科大学院の設立、運営に関与していない一非常勤講師であっても、特定の科目を担当した経験や、いろいろな情報源から得たいろいろな情報等に基づいて、考え、発言することは、無意味なことではないのかな、などと考えています。