TBS:石原知事発言で字幕ミス 社員4人を書類送検

http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/tv/news/20041215k0000m040066000c.html

通常の刑事事件は、警察が、犯罪の嫌疑があると判断した上で立件、捜査し、捜査を遂げた上で検察庁に送致(いわゆる「送検」)するので、送検されたということは、それなりの嫌疑があったということを意味します。
しかし、告訴・告発事件の場合は、そうではありません。
捜査機関は、告訴・告発が形式上、整ったものであれば、嫌疑の有無にかかわらず、受理した上、捜査する必要があり、受理した以上、途中で放り出すことはできず、警察であれば検察庁に事件を「送付」することが義務づけられています。
だからこそ、警察は、そういった面倒な義務を背負い込む告訴・告発事件を受けたがらないわけです。
この記事では、

警視庁は、誤報が意図的だったかどうかにかかわらず、結果的に知事の名誉を棄損した疑いがあると判断したとみられる。

とありますが、意図的ではない、ということは、犯罪の故意がない、という可能性が高いでしょう。名誉毀損罪に過失処罰規定はありませんから、故意がなければ無罪です。
たとえ、警察の心証として犯罪不成立と判断しても、上記のとおり、事件の送付が義務づけられていますから、送付イコール犯罪の嫌疑あり、とは言えません。
そういった事情が、きちんと記事にあらわれていることが望ましいでしょう。