場当たり的な検察庁の処理

奥村弁護士のブログ

http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20041014#p5

で、

共犯事件で、被害児童の財布からお金抜きとって(児童買春代金も取り戻した!)、さらに取り戻そうとした児童を殴打して、執行猶予ですか?
ほとんど強盗ですけど。

というコメントつきで紹介されていた事案。

その後,たばこを吸おうと財布の中を確認した女性が.財布の中にあった現金がなくなっていることに気づき.被告人両名との間で言い争いとなり,部屋にあった電話で警察へ通報しようとしていた女性に対し,被告人は,その女性の腹部を殴る暴行を加えてそれを止めさせようとし,公訴事実第3記載の犯行に及んだ。

これは、正に「事後強盗罪」なんですね。これで、事後強盗罪ではない、という説明をするほうが困難です。
以前、高裁の国選で、スーパー等で万引をして警備員や店員にに見つかり、殴ったり頭突きをするといった暴行を加え、全治数日程度の怪我を負わせたことで、「事後強盗致傷罪」(怪我は怪我なのでこういう罪名になります)になった被告人を担当したことが何回かありますが、法定刑が7年以上の懲役なので(今後の刑法改正で下げられるようですが)、酌量減軽しても懲役3年6月以上になり、前科がなくて示談していても執行猶予がつけられず(3年以下にしかつけられないので)、非常に酷なことになっていました。
言葉は良くないですが、なぜ、こんな児童ポルノ野郎に温情をかけ(?)、事後強盗罪になるものを、わざわざ窃盗と暴行に落として起訴しながら、偶発的な万引事犯を実刑にしかならない罪名で起訴するのか?
こういった場当たり的な検察庁の処理には、強い疑問を感じますし、こういった場当たり的な処理をしていると、国民の信頼を得ることは難しいでしょう。