訃報 元日弁連会長、土屋公献さん死去 86歳

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090925-00000023-maip-soci

07年に在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)中央本部の不動産を巡り、整理回収機構強制執行を求めた問題では、総連側の代理人として活動。この問題に絡み詐欺罪に問われた元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)被告について、有罪判決2日後の7月18日、毎日新聞の取材に「病気療養中の身で、コメントする立場にない」と家族を通じて回答。ただ、家族には「緒方さんにだまされたつもりはない」と話していたという。

この事件の関係で、土屋先生には証人としての出廷をお願いし、証人テスト及び法廷での尋問の際、お会いする機会がありました。私にとって、印象に強く残る弁護士の1人であったことは間違いありません。
上記の引用部分の最後の言葉を噛みしめつつ、ご冥福を心よりお祈りしたいと思います。

川中島古戦場

昨日の午前に、長野市で開催された関東弁護士会連合会のシンポジウムに参加し、帰京する前に、長野市近郊にある川中島古戦場に立ち寄ってきました。
本ブログでも以前に触れたように、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20071215#1197700579

今なお、様々な議論が活発に展開されている合戦ですが、実際に現地に臨んでみるといろいろな収穫がありました。最も印象的であったのは、上杉謙信が布陣していた妻女山山頂に登ってみたところ(そういう物好きはいないようで、行ってみると、車の中で寝ているおじさんがいる程度で他には誰もいませんでした)、武田軍がいた海津城(カーナビで測定したところ妻女山から7・5キロの距離)が、予想以上に手に取るように間近に見えたことで、この状態であれば、出撃前の武田軍の慌ただしい動きが上杉軍にはよくわかり、迅速に妻女山を降りるという選択につながったものと推察されました。
女山山頂で、上杉謙信の立場に身を置いて考えてみたところ、武田軍が動くということを察知し、攻められる前に機先を制して攻めるべく、無我夢中で妻女山を駆け降りたというのが真相ではなかったかと思われ、啄木鳥の戦法で仕掛けた武田軍が逆に窮地に陥ったのは、武田軍が策を弄しすぎたが故のことではなかったか(策士、策に溺れる)ということが実感されました。上杉軍としては、策を弄しすぎた武田軍の失敗により、武田信玄すら討ち取れる最大の好機を得たが生かしきれなかった、ということになるような気がしました。
私にとって、川中島合戦を考える上で、参考になり、また、興味深い経験になりました。

ほかの委員もJR西と接触=「守秘義務違反はなし」−運輸安全委

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090925-00000114-jij-soci

福知山線脱線事故を調査していた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)の山口浩一元委員(71)が、JR西日本山崎正夫前社長(66)に公表前の事故調査報告書案を漏らした上、委員会審議で報告書案の修正を求めていた問題

特別職公務員に当たる委員は、罰則のある国家公務員法上の守秘義務違反の適用を受けず、利害関係者との接触を禁じた国家公務員倫理法に基づく規定も適用されない。

「ATSあれば防げた」の削除要請=飲食接待や報告書案漏えいも・福知山線脱線
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200909/2009092500353&rel=y&g=soc

によると、飲食の接待や物品(たいした物ではなかったようですが)の供与があったようですが、特別職とはいえ公務員に対するものである以上、贈収賄罪の成立が問題になるのではないかと思います。上記の記事にあるような報告書案の修正を求めることは、委員の職務権限に直接関わるものであると考えられ、そういった行為が具体的な依頼に基づいていれば、単純収賄にとどまらず、受託収賄罪の成立ということも視野に入ってくるでしょう。
今後の捜査機関、特に神戸地検の動きも注目されます。