トラックバックを承認制にしました

http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20081106/1225967251

で告知されていますが、本ブログでも、管理者の承認の上で表示されるようにしました。カテゴリーの趣旨に即したトラックバックは積極的に承認するようにしますから、よろしくお願いします。
折しも、

[緊急告知]ボツネタと管理人のHPが終了するかもしれません・・・
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20081107/p1

という、困った事態になっていますが、はてなダイアリーでは、コメントもトラックバックも承認制が導入できるようになっているので、その辺を工夫して(ボツネタのコメント欄は既に承認制になっていますが)、関係者の理解も得た上で、何とか継続していただきたいものです。

旅券法違反の時効成立後10日間拘置、警察・検察・地裁もミス

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000038-yom-soci

ボツネタ経由で知りました(と今後も書けることを望みます)。

旅券法は05年12月、虚偽申請の罰則を懲役5年以下などに引き上げた改正法が施行され、公訴時効も3年から5年に延長された。男性が旅券を申請したのは改正法施行前で逮捕時には時効が成立していた。ところが同支部は拘置を請求。地裁八王子支部も認めたため、男性は今月5日まで拘置された。

刑事法を勉強したことがある人であれば常識ですが、犯罪を行った後に法定刑が重くなっても、適用されるのは犯行時の規定というのが原則なので(事後法の禁止)、上記のような場合、最新の六法を見ているだけでは足りなくて、改正前の規定を確認しないと間違ってしまいます。ただ、いちいち古い六法を取りだしてきて確認する、というのは、なかなか難しい面があって、過誤が起きがちというのが実態でしょう。
私は、判例秘書を使っていて、最近、新バージョンに更新しましたが、その中に、六法全書電子復刻版というものが入っていて、改正前の規定を調べるのに役立ちそうだと思っています(まだ、実際にはそういう使い方をしていませんが)。平成18年までの50年分の六法全書が収録されていて、特に、最近の刑事法改正には頻繁なものがありますから、必要に応じチェックすることが可能です。

http://www.eoc.ne.jp/rz/index.html

法律に携わる仕事をする以上、裁判所にしても検察庁にしても、また弁護士にしても、こういったところにかけるコストを惜しむべきではないでしょう。

インフォコモンズ

インフォコモンズ (講談社BIZ)

インフォコモンズ (講談社BIZ)

インターネット上におけるインフォコモンズ(情報共有圏)ということについて、現状や、今後進むべき方向性について描かれていて、発売直後に買って少し読み、そのままになっていたので、昨日の札幌出張の際、飛行機の中で一気に読みました。
インフォコモンズという点では、現状はまだまだ混沌としていて、著者が、

情報共有圏の生み出す新たな世界は、すべての他人、すべての情報すべてのオブジェクト、そしてすべての世界が、情報を軸とした人間関係によって、ひとりの個人の視界の中でなめらかにつながり、ひとつの視野の中に入ってくる。
それは新たな友人、新たな共同体を生み出す。その共同体はきわめてクリアに、スタインバーグの絵のように遠くまで可視化されている。
(210ページ)

というところまで到達するまでの道のりはまだまだ遠いものの、そういった到達点を目指して進むべきであることは間違いないでしょう。
既にその兆候はありますが、上記のような新たな世界が出現することにより、社会の構造、人間関係、共同体の在り方、といったことが大きく変化することも間違いなく、できれば、社会の片隅からであっても、そういった変わり様を見てみたい、そして死にたい、というのが、読み終えた後の感想でした。

ブログ論壇の誕生

ブログ論壇の誕生 (文春新書)

ブログ論壇の誕生 (文春新書)

これも読みかけだったので、昨日、札幌出張中に残りを読んで読了しました。
日本において、「ブログ論壇」というものがどこまで実態があり影響力を持っているのか、よくわからない面があり、また、「論壇」と呼ぶに値するかどうかという疑問もありますが、誰もが手軽に情報発信することが可能になったことで(私のような無力なしがない弁護士がブログをやっている、ということもその一例でしょう)、既存のメディア等の枠を超えた世論の渦、流れのようなものが巻き起こるようになったことは間違いないでしょう。
この本の中でも、そういった最近の動向が紹介されていましたが、問題は、そういった動向が、今後、社会に有益な影響力を及ぼす方向で建設的に発展して行くのか、単に浮かんでは消える泡沫(うたかた)のようなものでしかないままになってしまうのかということではないかと思います。
それはそれとして、本ブログは、単なる私の日記、備忘録ですから、上記のような動向には無縁のまま、淡々、粛々と続けて行きたいと考えています。