村上七郎・関西テレビ名誉顧問が死去 88歳

http://www.sankei.co.jp/keizai/sangyo/070920/sng070920010.htm

共同通信社記者を経て、昭和29年、ニッポン放送入社。以後、フジテレビ専務、テレビ新広島副社長、関西テレビ社長、民放連副会長などを務めた。
フジテレビ時代は、連続12年間、年間視聴率3冠王に導くなど貢献。平成17年には個人史とメディアの開拓史をまとめた「ロングラン マスコミ漂流50年の軌跡」(扶桑社)を出版した。

以前、お台場に行った際に、書店で、上記の記事でも紹介されている

ロングラン―マスコミ漂流50年の軌跡

ロングラン―マスコミ漂流50年の軌跡

があったので、興味を感じて購入し、少し読んでみました。テレビ新広島開局の際のエピソードなども紹介されていて、広島出身の私としては、話題が身近に感じられた記憶があります。通読できないままになっているので、改めてきちんと読んでみたいと思います。
ご冥福をお祈りします。

「私の後藤田正晴」

私の後藤田正晴

私の後藤田正晴

先日、惜しまれつつ世を去った後藤田氏ですが、生前の同氏を知る人々の回想等を収録した本が出版されたので、早速購入し、少しずつ読んでいます。いろいろなエピソードも紹介され、生前の同氏の謦咳に接することができなかった読者にも、謦咳に接するような感覚を得ることができる1冊になっています。
最近、死刑問題が注目されることが多くなっているように思いますが、同書の中で、後藤田法務大臣の秘書官を務めた野々上尚氏が、「死刑執行に踏み切った特別な思い」という一文を寄せていて、後藤田法務大臣が死刑執行に踏み切るまでに、

死刑廃止論

死刑廃止論

を年末年始に自宅に持ち帰り読むなどして熟考を重ねたことなどが紹介されていて、法務大臣の重い職責にも思いを致しながら、興味深く読みました。

強制捜査は「当然」 調書漏えい事件で長男の祖父語る

http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070922/jkn070922001.htm

先日、奈良地検強制捜査に着手したということで、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070914#1189722991

とコメントした件ですが、「少年」側の被害感情はかなり強いようです。

「なぜ少年審判が非公開なのかを考えてほしい」。祖父の言葉には、当事者の1人としての切実な思いがにじむ。一方、専門家の間には「著作や出版の萎縮(いしゅく)につながる」と疑問視する声も。強制捜査着手から21日で1週間。事件はいまだ「少年の保護」と「言論の自由」のはざまで揺れている。
「本には、孫の成績や、婿の離婚と再婚の経緯など、プライバシーも含めて暴露されている。孫が中等少年院を出た後、本を読んでどう思うのか」。祖父はやりきれない様子で語った。

秘密漏示罪の主体は、医師等の、構成要件の中で列挙されている一定の専門職の人々であり、今回の事件における「著者」は、同罪との関係では、あくまで共犯としての責任が発生する可能性がある、という立場になります。出版行為自体に犯罪の嫌疑がかけられているわけではなく(密接に関連してはいますが)、そこは整理して見て行く必要があるように思います。
犯罪の成否は、証拠関係に接していないので何とも言えませんが、私の感覚では、仮に医師等の関係者からの情報提供があったとしても、家裁における審判後、まだ日が浅い上、「少年」自身も少年院に収容中という状態で、関係者のプライバシー等への配慮を超えて、情報提供、公開へ踏み切るだけの「正当な理由」があるとまでは言い難いのではないか、と思います。その意味で、著者を含め、やや「早まってしまった」という面があるのではないか、というのが、あくまで感覚的なものですが、私の見方です。ある程度日時が経過してこの種の書籍を出版する場合であっても、関係者のプライバシー等に配慮し、その同意を得たり、内容を工夫するなど、犯罪の成否とは別の問題として、慎重な姿勢も必要ではないか、と思います。
表現の自由が最大限尊重されるべきであることは当然ですが、プライバシー等への配慮も必要であり、合法、違法の境目をどこに見出すべきか、ということを考える上で、本件は様々な検討材料を提供しているように思います。

公判前整理手続のお勉強中

今秋から、ある事件で公判前整理手続が始まりそうなので、連休中も遊んでいるわけには行かず、六本木ヒルズ森タワー49階で、時々、眼前の東京タワーを眺めながら、

コンメンタール公判前整理手続

コンメンタール公判前整理手続

公判前整理手続を活かす―新たな手続のもとでの弁護実務 (GENJIN刑事弁護シリーズ (05))

公判前整理手続を活かす―新たな手続のもとでの弁護実務 (GENJIN刑事弁護シリーズ (05))

公判前整理手続を活かすPart2 (実践編) (GENJIN刑事弁護シリーズ 6)

公判前整理手続を活かすPart2 (実践編) (GENJIN刑事弁護シリーズ 6)

を取っ替え引っ替え読んでいるところです。他にも類書はいろいろとありますが、この3冊は、内容もそれなりに信頼でき、わかりやすく、役立ちます。
実際に公判前整理手続に入ったら、同手続について気づいた点、検討した点などを、具体的な事件の中身には立ち入らない範囲内で、本ブログでコメントしたいと考えています。

暴力客に店員土下座、被害の店側に謝罪促す…高知県警

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070922-00000305-yom-soci

18日午前2時ごろ、同店内で男女計4人で来ていた客の何人かが、酔って「注文が遅い」と皿を割るなどしたため、女性店員が110番通報した。地域課の巡査部長(54)ら4人が到着すると、女性客が女性店員に対し、「あんたが警官呼ぶから(こんな騒ぎになった)」と言い、平手打ちした。
署員は約2時間にわたり客らを説得したが、「店員に土下座させろ」などと納得しないため、「店にも落ち度がある。客の気が済むなら、謝ってこの場を収めましょう」と言い、店員3人全員が土下座して謝ったという。

ここに書かれてある範囲内でしか事実関係がわかりませんが、私が現場に臨場した警察官であれば、上記の「平手打ち」の時点で、女性客を暴行罪で現行犯逮捕するでしょう。「納得しない」客が店内から退去しなければ、不退去罪が成立する可能性を告げて警告し、不退去罪が成立すればその客も現行犯逮捕することも検討すると思います。そもそも、「皿を割る」行為は、故意によるものであれば器物損壊罪であり、客を最寄りの警察署や交番へ任意同行して事情を聞く、ということを、まず検討すべきでしょう。これでは、警察が何のために存在するのか、なぜ110番通報の制度が設けられているのかわかりません。
客の言いなりになって、店員に土下座させるなど、最低、最悪の対応であり、日本警察の恥、と言っても過言ではない対応ではないかと思います。警察が店側に謝って済む問題ではないでしょう。