古紙持ち去り「昨日は無罪、きょう有罪」 同じ東京簡裁

http://www.asahi.com/national/update/0327/TKY200703270436.html

無罪判決

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070327#1174956662

の翌日に、今度は有罪判決で、東京簡裁内でも判断が分かれてしまいました。

桜井裁判官は判決で、集積所について「資源ゴミ回収のコンテナもそばにあり、通常の判断能力があれば認識できる」と指摘し、起訴事実通りの犯行場所を認定した。また、条例はごみを安定的にリサイクルするために制定され、罰則はその目的にかなうとした。

区が古紙回収を区内業者の団体に独占発注している点の是非も判断が分かれた。桜井裁判官は「安定的にリサイクル事業を続けていくため、不合理ではない」としたが、無罪とした裁判官は「独禁法違反の疑いがある」と指摘していた。

判決文自体を見ていないので、感想と直感になってしまいますが、有罪判決のほうが、東京高裁の判断を「先取り」しているような気がします。
問題は、条例自体が、何とかかばってもらえるだけの内容を備えているかどうかでしょう。
検事が著者になって、「おかしな条例」という1冊の本が、かつて出たくらいですから、条例違反で起訴する際には(条例にもよりますが)、条例自体が間違っている可能性がある、というくらいの意識を持って慎重の上にも慎重な検討が必要ということでしょう。>検察庁


おかしな条例―立案者への助言 (1965年)

おかしな条例―立案者への助言 (1965年)

新おかしな条例―立案者への助言 (1981年)

新おかしな条例―立案者への助言 (1981年)

追記:

世田谷区清掃・リサイクル条例における資源ごみの持ち去り規制に係る「所定の場所」と憲法31条
最決平成20年7月17日(判例時報2050号156頁以下)
「所定の場所」は、世田谷区が、一般廃棄物の収集について区民等の協力を得るために、区民等が一般廃棄物を分別して排出する場所として定めた一般廃棄物の集積所を意味することが明らかであり、「所定の場所」の文言を用いた本件罰則規定が、刑罰法規の構成要件として不明確であるとはいえない、などとして有罪判断を維持。

2歳男児焼死、スノボで不在の母起訴猶予

http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070327-175956.html

母親はこれまでにも、男児を家に残したまま夜間に働きに出ていたが、男児がけがなどをしたことはなく、地検は「男児の生命、身体に危険が及ぶという認識は薄かった」と判断した。

以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070219#1171861490

でコメントしたように、成立を問題にすべきは、保護責任者遺棄罪ではなく、むしろ、重過失致死罪ではないか、と思いますが、起訴猶予という処分自体は、本件の内容(母親も、かなり批判はされましたが、報道によると、日頃から育児を怠りネグレクト状態にある、といったことまではなかったようです)からすると妥当なものと言えるかもしれません(起訴するかどうかの判断に迷った際には、重くして失敗することは避けるべきです)。

ぜいたく三昧…総裁辞任 スミソニアン博物館

http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070328/usa070328001.htm

銀行出身のスモール総裁は2000年の就任後、10億ドルの資金獲得に成功し、3つの施設を新たにオープンするなど積極的な運営で知られていた。
スモール総裁は88万5000ドル(約1億円)の高額年収に加え、住宅費など200万ドル(約2億3600万円)の経費を協会に請求。公舎の維持費だけで27万ドル(約3100万円)を超えるなどのぜいたくな暮らしぶりに批判が集まっていた。

これで「ぜいたく」と言われるなら、もっとぜいたくな生活をしている人は、他にも大勢いると思いますが、博物館総裁という立場では、確かにもらいすぎでしょうね。
「スモール」という名前に似合わず、仕事もぜいたくも「ビッグ」な人だった、ということでしょう。