悪質な危険運転、見直しへ議論 法務省の検討会が初会合 範囲拡大、法改正も視野

悪質な危険運転、見直しへ議論 法務省の検討会が初会合 範囲拡大、法改正も視野(産経新聞) - Yahoo!ニュース

危険運転致死傷罪は特に悪質な運転を処罰するため平成13年に成立。法定刑の上限は懲役20年で、処罰対象として、制御困難な高速度▽アルコールや薬物で正常な運転が困難▽赤信号を殊更に無視する-などの状態での運転を規定する。

一方、近年は法定速度を大幅に超えた死傷事故で、高速度でも「制御困難」の要件が満たされないと判断されるなどして、同罪が適用されないケースが相次いでいた。 遺族から規定見直しを求める声が上がり、昨年12月には自民党のプロジェクトチームが同罪の適用範囲の拡大などを求めて小泉龍司法相に提言していた。

危険運転致死傷罪のそもそもの立法趣旨は、自動車を一種の凶器とすることで、傷害罪、傷害致死罪と同様の法益侵害性があり、厳罰に処するべきということにあったと思います。その意味で、行為類型としての悪質運転を、あまりにも広く危険運転に取り込んでいくことは、立法趣旨を曖昧にし、過度な処罰にもつながりかねないものがあるでしょう。

危険運転として厳罰に処すべきものと、行為類型としての悪質運転で、中身に応じた適正な処罰をすべきものを、合理的に切り分けて、後者については道路交通法の中で処罰対象にしていくことも検討されるべきではないかと思います。